一方、本人が自身の特性を自覚しておらず、何かのタイミングが引き金になることもある。「勉強ができたために大学に入れたけれど、ゼミなどで人間関係の難しさに直面した際や、就活で何十社も落ちた時に不適応が顕在化して相談に来られるケースも多い」(高石氏)という。
部署間の連携に重要な「信頼関係」
同大では、学生相談室とYOUステーションが毎週情報共有を行うほか、教務部や保健室、キャリアセンターなど関連部局のメンバーの連携会議も毎月行うなど、大学全体で発達特性のある学生をサポートしている。
「学年が上がると必要な支援も変わるので、連携会議で『この学生さんにはこの支援が必要です』『来年度はキャリアセンターでお世話になります』など情報を共有しています。支援の方向性の見立ては私たちの部門でやらせてもらっていますが、部署間の連携においてつねに思いや考え方が一致するとは限りません。そこで重要になるのが、信頼関係です」
例えば、「気になる学生がいる」と教員から相談を受けた場合は、まずその教員に学生相談室に来てもらう。
「本学は比較的コンパクトな規模の大学だからできるという面もありますが、まずは私たちカウンセラーと教員が信頼関係をある程度築いたうえで、その教員から学生に対して『学生相談室に行ってみない?』と声をかけてもらう。そうすると、スムーズに進むことが多いですね。支援する者同士に信頼関係がなければ、学生も安心して相談はできません」

