西側諸国の多くの人々が使う、ChatGPT、Claude、Gemini、Meta AI、xAIに加えて、中国のAlibaba、DeepSeek、Mistral AIなどのクラウド型AIが消費する電力は、2030年には原子炉数十基分に及ぶと予測されている。クラウドAIが半導体を大量に必要とするため、メモリーやストレージ、スマホやパソコンの価格が急激に上がっていることはみなさんご承知と思うが、電力使用においてもこれらは大きな負担となっている。温暖化対策などどこ吹く風の膨大な電力が消費されているのだ。
アメリカの現政権が、膨大な電力消費による温室効果ガスの増大を問題にしないとしても、我々人類にとって大きな課題になることは間違いない。
膨大な電力を消費するAIデータセンターを導入できない
しかし、もしアップルがApple Intelligenceのために、ChatGPT、Claude、GeminiのようなAIデータセンターを運営することになったら、どうなるだろうか? 膨大なエネルギーを消費するデータセンターは、『Apple 2030』の達成を大きく阻害することになっただろう。
つまり、アップルが環境保全のために自らに課した『Apple 2030』という温室効果ガス削減目標を達成するためには、AIデータセンターを要するクラウドAIを導入するわけにはいかなかったのである。
「アップルはAIに出遅れた」と言われても、アップルとしては温室効果ガスの削減目標達成を譲ることはできなかったのだ。また、将来必ずやAIデータセンターの環境に与える影響が問題になる時が来る……と考えてもいたのだろう。
同様にアップルは個人情報に関して、『ユーザーデータを極力デバイスから外に出さない』『出す場合は完全に暗号化し、アップルを含めて他者が触れられないようにする』という自己規制を敷いているが、これもクラウドAIとは相性が悪い。ChatGPT、Claude、GeminiのようなクラウドAIを活用しようとしたら、必然的にユーザーデータはデバイスの外に出るし、カレンダー、連絡先、メール内容などを活用しようとすればするほど安全に保持するのが難しくなる。

