慢性腎臓病を患うリスクは高齢になるほど上昇し、患者の約2000万人は大半が高齢者です。成人全体では5人に1人ですが、70代では3人に1人、80代以上では2人に1人という高確率で慢性腎臓病を患っています。
長生きが当たり前になったことで、高齢になるほど患うリスクが高まる慢性腎臓病に直面する人も増えているというわけです。もはや、慢性腎臓病は誰もが目を背けることができない問題であり、新しい国民病といっていいでしょう。
加齢も加わり腎機能低下が加速
腎機能の低下は、そのスピードにかなりの個人差があります。80歳や90歳になっても腎臓が元気に働いている人もいれば、40代でだいぶ弱っている人もいます。なぜこれほど大きな差が生まれてしまうのでしょうか。
ここで浮上するのが高血圧、高血糖、高尿酸、高LDLコレステロールという4つの危険因子です。これらは、腎臓を痛めつける四悪きょうだいともいうべき存在。腎臓に大きな負荷をかけ、加齢とともにゆっくり進むはずの機能低下を加速させてしまうのです。
高血圧や高血糖は血管にダメージを与えることが知られていますが、大量の血液をろ過するネフロンの糸球体も、毛細血管の集まりです。そのため、腎臓もまた、高血圧や高血糖の悪影響をダイレクトに受けてしまうのです。
高血圧や高血糖は、腎臓内の血管にダメージを与えて慢性的な炎症や動脈硬化を招くとともに、糸球体のろ過機能も壊します。
毛細血管のかたまりである糸球体のまわりには網の目のように細胞が絡みつき、フィルターの役目を果たしています。しかし、高血圧や高血糖の状態が続くと、過剰な圧がかかることで細胞がはがれ落ちてしまいます。その結果、ろ過機能は低下し、本来は体に残すはずのものが尿として出てしまうようになります。こうなると、腎機能はみるみる悪化していきます。
尿酸値が高くなっている場合も、腎臓にとっては大ごとです。尿酸はプリン体を摂取した際に分泌されますが、尿酸値が高いと痛風になります。痛風といえば美食家がかかる病気で、足の親指の付け根などが激しく痛むイメージが強いかもしれません。
これは痛風結節と呼ばれるもので、足などの関節内で尿酸が結晶化し、炎症化することで起こりますが、同じように腎臓にも尿酸の結晶ができてしまうのです。これは痛風腎と呼ばれ、炎症も起こして腎機能を大きく低下させてしまいます。

