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ライフ #開業医がこっそり教える医療のリアル

「あんな痛いなら死んだ方がマシ」開業医が膀胱がん闘病で知った"人間が耐えうる限界の激痛"とクリニック存亡の危機

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松永正訓 クリニック 診療所
松永正訓さんのクリニックが直面した最大の危機とは?(写真:筆者提供)
  • 松永 正訓 医師・ノンフィクション作家

INDEX

ぼくのクリニックは、今年の5月で開設20年になった。月並みな言い方だが、あっという間である。大学病院に籍があったのが19年間だから、勤務医生活よりも開業医生活の方が長くなったということだ。ちょっと信じられない。

この20年間、うちのクリニックは、まあ、順調だった。一般的に開業して1年目は利益が出ないと言われている。2年目くらいから患者が増え始めて、3年目くらいでしっかりとした黒字になることが多いそうだ。

自己資金ゼロ、「オール借金」で立ち上げたクリニック

ぼくの場合、開業したとき自己資金はゼロだった。なかなか一般の人には理解してもらえないが、大学病院の勤務医は、経済的にかなり厳しい。とにかく支出が多い。国際学会へ出かけると、往復の航空運賃・ホテル代・学会参加費(海外の学会は高い)で、1カ月分の給料がほぼなくなる。

そんな話を過日、小学館の編集者さんとしていたら「なんで経費にならないんですか!?」と驚かれた。う、そう言われても……。ぼくとしては、そう言われたことに驚いた。大学病院勤務に「経費」という観念は存在しない。

そんな19年を過ごしたので、ぼくはオール借金でクリニックを立ち上げた。リース会社さんにお金を貸してもらい(リースもあった)、自分のクリニックを作った。正確に言うと、土地と建物は大家さんのもので、内装や医療機器にお金を使った。さらに、1年目は利益が出ないはずなので、運転資金として大きな額のお金を貸してもらった。

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