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幼稚園で出会った「雷に打たれたような衝撃」
阿部さんが初めてゲームに出会ったのは幼稚園のころ。友達の家で遊んだ『スーパーマリオブラザーズ3』の衝撃は、今でも鮮明に覚えているという。
「それまでテレビは画面を受け身で眺めるものでした。でもゲームは違った。自分が主人公になって大冒険をしているような感覚で、本当に雷に打たれたような衝撃でした」
すぐに母親に「買ってほしい」とねだったが、返ってきたのは、「幼稚園生にはまだ早い」という答えだった。
当時、母親は自宅でピアノ教室を開いていた。そのためレッスン中は近所の友達の家で過ごすことが多く、ゲーム機がある家へ行ける日は密かな楽しみだったという。
そして小学校入学前、自宅にもようやくスーパーファミコンがやってきた。「1日30分」というルール付きだったが、それは守っていた。
小学4年生で親に勧められるまま、中学受験塾へ入った。勉強は嫌いではない。しかしゲームほど夢中にはなれなかったという。
そんな阿部さんのやる気を引き出したのは、親が用意した小さなご褒美だった。塾のテストで上位に入ると、トレーディングカードを買ってもらえる。
頑張れば順位が上がる。順位が上がれば報酬がもらえる。その仕組みはゲームそのものだった。
「受験勉強って、ゲーム攻略と同じだ」
そう気づいた瞬間、勉強の見え方が変わった。ゲームで経験値を積み重ね、レベルアップするように勉強も攻略する。そうしていくうちに、成績は一気に伸びた。
その結果、御三家の一つ、武蔵中学校に合格する。ここまでは、「成功した中学受験生」の物語だ。

