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キャリア・教育

1日12時間ゲームに没頭したフリーターが医学部へ、彼が変わった"意外なきっかけ" 「安易にゲームを取り上げる親のワナ」

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東海大学医学部付属病院に勤務する阿部智史さん
現在は東海大学医学部付属病院に勤務する阿部さん。2024年には同病院スポーツ外来にeスポーツ外来を新設した(写真:阿部智史さん提供)

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ゲームをやりたい子どもと、それを止めたい親――。この攻防は、子育て期の家庭における永遠のテーマと言っていいだろう。そんな親たちに、「問題はゲームそのものではありません」と語る医師がいる。阿部智史さんだ。自身もかつてゲームにのめり込んだ経験がある。御三家・武蔵中学に合格し、中学受験は成功したものの、高校に入るとゲームにのめり込み、医学部を目指す過程で大きくつまずいた経験を持つ。
しかし、その経験があったからこそ、「ゲームを取り上げても解決しない」という結論にたどり着いた。新刊『ゲームしながら受験で勝つ! 医師が教える 子どもが自ら学び出すセルフコントロール力』を上梓した阿部さんに、その半生と、子どもに本当に必要な力について聞いた。

幼稚園で出会った「雷に打たれたような衝撃」

阿部さんが初めてゲームに出会ったのは幼稚園のころ。友達の家で遊んだ『スーパーマリオブラザーズ3』の衝撃は、今でも鮮明に覚えているという。

「それまでテレビは画面を受け身で眺めるものでした。でもゲームは違った。自分が主人公になって大冒険をしているような感覚で、本当に雷に打たれたような衝撃でした」

すぐに母親に「買ってほしい」とねだったが、返ってきたのは、「幼稚園生にはまだ早い」という答えだった。

当時、母親は自宅でピアノ教室を開いていた。そのためレッスン中は近所の友達の家で過ごすことが多く、ゲーム機がある家へ行ける日は密かな楽しみだったという。

そして小学校入学前、自宅にもようやくスーパーファミコンがやってきた。「1日30分」というルール付きだったが、それは守っていた。

小学4年生で親に勧められるまま、中学受験塾へ入った。勉強は嫌いではない。しかしゲームほど夢中にはなれなかったという。

そんな阿部さんのやる気を引き出したのは、親が用意した小さなご褒美だった。塾のテストで上位に入ると、トレーディングカードを買ってもらえる。

頑張れば順位が上がる。順位が上がれば報酬がもらえる。その仕組みはゲームそのものだった。

「受験勉強って、ゲーム攻略と同じだ」

そう気づいた瞬間、勉強の見え方が変わった。ゲームで経験値を積み重ね、レベルアップするように勉強も攻略する。そうしていくうちに、成績は一気に伸びた。

その結果、御三家の一つ、武蔵中学校に合格する。ここまでは、「成功した中学受験生」の物語だ。

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