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キャリア・教育

1日12時間ゲームに没頭したフリーターが医学部へ、彼が変わった"意外なきっかけ" 「安易にゲームを取り上げる親のワナ」

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東海大学医学部付属病院に勤務する阿部智史さん
現在は東海大学医学部付属病院に勤務する阿部さん。2024年には同病院スポーツ外来にeスポーツ外来を新設した(写真:阿部智史さん提供)
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当時の生活は、仕事8時間、睡眠4時間、ゲーム12時間。今思えば完全にゲーム中心の生活だったというが、仕事では「社員にならないか」と声を掛けられるほど評価され、ゲームでもランキング上位に入る実力があった。リアルにも、オンライン上にも居場所はあったのだ。

一方で、心のどこかでは「このままではいけない」という焦りも消えなかったという。

しかし、このアルバイト経験は決して無駄ではなかった。

「医師になった今、さまざまな患者さんと接しています。あの頃、いろいろな年代の人と一緒に働いたり、さまざまなお客さんと接したりした経験は本当に役立っています」

ゲームが教えてくれた「終わりがある」という現実

そんな阿部さんの人生を大きく変えたのも、皮肉なことにゲームだった。夢中になっていたオンラインゲーム『ボンバーマンオンライン』のサービス終了である。

大会で優勝するほど打ち込んできたゲームだった。しかし、サービスが終了すると、それまで積み重ねてきたランキングも実績も、一瞬で消えてしまった。

「そのとき初めて思ったんです。ゲームの中でどれだけ頑張っても、その世界が終われば全部なくなるんだな、と」

その出来事は、阿部さんの価値観を大きく揺さぶった。

「だったら、自分自身の中に残るものを身につけたい。自分の力で生きていける仕事を持ちたいと思いました」

もともと子どもが好きだったこともあり、教育に関わる仕事も考えた。とにかくやり直したいと思った阿部さんは親のもとへ向かい、これまでのことを謝罪した。

「もう一度、受験勉強をさせてください」

深々と頭を下げる息子に、親は静かに答えた。

「分かった。頑張りなさい」

それは、ゲームから離れる決意だけではない。自分の人生を、自分の意思で立て直そうと決めた瞬間だった。

そのとき、20歳になっていた。しばらく勉強から離れていたものの、「もう一度受験勉強をやる」と決めると、不思議なことが起きた。

阿部智史さん(写真:筆者撮影)

それまで生活の中心だったゲームが、急につまらなく感じるようになったという。

年明けから春にかけて、「もう一度受験に挑戦するべきか」と悩み抜いた末、4月から予備校へ通い始めた。

ゲームで培った戦略の立て方や相手のパターン分析、集中力は、そのまま受験勉強へ向かった。

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