有料会員登録 東洋経済オンラインとは
キャリア・教育

【実行委員長・赤裸々の告白】「祭りは儲からないなら、やめればいい…?」祭りを続ける人が知る"お金より大事な裏側"

7分で読める
夏祭りで強まる絆を感じる大人と子ども
「儲からないから」と切り捨ててしまうと、本当に大切なものを失ってしまうことがあります(写真:笠間納涼盆踊り花火大会2025の様子/筆者提供)

INDEX

若手プロデューサーとして、音楽、イベント、地域活性、ブランドづくりまで多領域を横断し、企画立案から実行までを一気通貫で手がける安達勇人氏
俳優・声優・アーティストとして培った表現力に、地元・茨城を拠点に展開する発信力と巻き込み力が加わり、数々のプロジェクトを成功させてきた注目の若手実力派プロデューサーである。
その安達氏が、このたび初の著書迷ったら心で動け、すぐ動け』を刊行した。
自身の働き方やチームづくり、人間関係、コミュニケーションの本質に加え、「直感で動く」「挑戦を恐れない」といった自身の行動哲学まで余すことなくまとめた、迷いに立ち止まりがちなビジネスパーソンの背中を力強く押す一冊である
前回は、安達氏が笠間納涼盆踊り花火大会の実行委員長として感じている、祭りの舞台裏について語った。今回は、その先にある「儲からないことを、なぜ続けるのか」という問いについて語る。

祭りは終わったあとから始まる

祭りが終わると、多くの人は「今年も無事に終わったね」と言います。もちろん、事故なく終えられたことには心からほっとしますし、来てくださった方々の笑顔を見ると、やってよかったと思います。

『迷ったら心で動け、すぐ動け: 人生を最高に楽しむ「心のブレーキ」のはずし方』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

でも僕の中では、祭りはそこで終わりません。

むしろ、終わったあとから始まる感覚があります。

片づけをしながら、「あの導線はもっとよくできたな」「あの時間帯は人が集中したな」「来年はここを変えたいな」と、もう次のことを考えています。疲れ切っているはずなのに、頭の中では来年の景色が少しずつ浮かんでいるんです。

これを人に話すと、たいてい不思議そうな顔をされます。

「そんなに大変なら、やめればいいのに」

「儲からないなら、続ける意味あるの?」

たしかに、短期的な利益だけで考えれば、祭りほど割に合わないものはないかもしれません。準備には時間がかかります。多くの人に頭を下げることもあります。想定外のことも起きます。終わったあとには、達成感と同じくらい大きな疲労も残ります。

でも、僕はいつも思います。

お金にならないことの中にこそ、あとから大きな価値になって返ってくるものがあるのではないか、と。

これはきれいごとではありません。僕自身、ADACHI HOUSEを続けてきた中で何度も感じてきたことです。すぐに売上につながることばかりを追っていたら、今のような形にはなっていなかったと思います。

地域で何かを続けるというのは、今日出した答えが明日すぐ数字になるような仕事ではありません。時間をかけて、人の記憶に残り、少しずつ関係が深まり、あるとき思いがけない形で返ってくる。

祭りは、そのことを毎年教えてくれる場所です。

笠間納涼盆踊り花火大会、2025年の様子(写真:筆者提供)
2/3 PAGES
3/3 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

キャリア・教育

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数