先に紹介した総務省の家計調査では、二人以上世帯の平均貯蓄額は2059万円(2025年)だが、実際には全体の66.1%が、この金額を下回っている。
貯蓄を保有する世帯に限った中央値は1264万円。貯蓄ゼロ世帯を含めた中央値は1167万円だ。
また、二人以上世帯のうち、貯蓄100万円未満の世帯は10.1%、300万円未満の世帯は約2割を占める。
平均貯蓄額は2000万円を超えているが、その一方で、貯蓄がほとんどない世帯も少なくない。平均値だけでは、家計の実態はなかなか見えてこないというわけだ。
不動産を含めた「家計資産総額」は?
一方、預貯金などの金融資産だけで貧富の格差を判定するのは、やや乱暴と言える。不動産などの実物資産と金融資産を合計し、さらに住宅ローンなどの負債残高を差し引いた「家計資産総額」というデータがある。
世帯が保有する資産全体を見るうえでは、金融資産だけを見るよりも包括的なデータと言っていいだろう。その計算式は、次の通りだ。
家計資産総額=金融資産残高-金融負債残高+宅地・住宅資産評価額
総務省統計局の「全国家計構造調査(旧・全国消費実態調査)」が5年周期で実施している調査だ。2024年調査の家計資産・負債に関する結果は未公表のため、ここでは2019年調査を用いる。
単身世帯を含む総世帯の家計資産総額は、平均2833.7万円だった。内訳は次の通りだ。
- 宅地資産……1614.2万円
- 住宅資産……395.7万円
- 純金融資産……823.8万円
二人以上世帯に限ると、家計資産総額の平均は3219.4万円となっている。

