いつのころからか、「地頭」という言葉をよく耳にするようになった。頭がいい人を指すときばかりではない。「あいつ地頭“だけ”はいいから」などというように、悪い意味で使われることも少なくない。
いずれにしても、なにかと使いやすい言葉であることは事実だ。だから私も、誰かの口からそれを聞いてもさほどの抵抗は感じていなかったのだが、とはいえ“よくわからない言葉”であることは事実だろう。
おそらくは「その人が持ち合わせている、資質としての頭のよさ」ということになるのかもしれないが、そうはいっても定義のようなものがあるわけではないのだから。
“人間の頭のよさ”はやっぱり重要
と思っていたら、『地頭力の正体』(西岡壱誠 著、中山芳一 監修、東洋経済新報社)の冒頭にも同じようなことが書かれていた。地頭とは、「なかなかつかみどころのない言葉」なのだと。
ましてや生成AIがなんにでも答えてくれる時代なので、なおさら「“人間の頭のよさ”はもはや意味がないのではないか」と思いたくなるかもしれない。が、そこには大きな誤解があると著者は主張している。
たしかにそのとおりで、それはAIには決してできないことである。


