遺伝とは、不安になりやすい素因を生まれつき備えているということ。環境要因とは、現在の厳しいストレス状況や生まれ育った環境(虐待、ネグレクト、親の不仲、離婚、死別など)のことだ。
さらに、生活習慣とは考え方と行動のパターンのことで、“思考と行動のくせ”といってもよい。「不安なことを放っておけず、心配や確認をし続けるようなパターンです。このくせが出ると、不安がさらにひどくなる悪循環に陥りかねません」(清水さん)。
そして、このような要素が存在した状態に、大きなストレス体験などが加わると、それがきっかけとなって全般不安症を発症するのが典型的だという。
「大変な目に遭った特殊な経験が、日常的に起こるという誤解へと一般化されます。不安だから、何かしないといられないという思考と行動の悪循環から抜け出せないのです」と清水さんは見る。
では、どれくらいの人が全般不安症なのか。「WHO世界精神保健調査」では、生涯のうちに全般不安症になる人の割合(生涯有病率)は3.7%、日本では2.6%だった。
自分でできるケアのやり方
全般不安症の治療には、大きく薬物療法と認知行動療法の2つがある。
認知行動療法とは思考や行動のくせに気付き、修正していく方法のこと。全般不安症の人は“危険が起こる確率を高く見積もる傾向”にあるが、認知行動療法によって、「そこまでのことはない」と徐々に認識を変えていく。
認知行動療法に当たるのは精神科医、公認心理師など。さまざまな方法があるが、自分でできるシンプルな方法を清水さんに教えてもらった。それは、ストレスになる出来事があったときの考え(認知)、行動、感情、身体反応をノートなどに書き出してみるのだ。
・出来事 → 友だちが乳がん(ステージI)になった。自分も胸を触ってみたら、痛いように感じた
・考え(認知) → 自分は手遅れの乳がんで、余命半年と宣告されるかもしれない
・行動 → インターネットでがんの情報や体験談を調べまくった
・そのときの感情 → 不安になった
・身体反応 → 頭痛と肩こり、興奮して不眠があった
こういう出来事があると不安になる、という悪循環を理解することができるという。


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