実は、漢方では阿膠(あきょう)というゼラチンの仲間が生薬として使われています。ロバやラバの皮を煮詰めて作られるゼリー状のタンパク質(コラーゲン)で、中国では古くから血液を補って、体の潤いと回復力を支える滋養成分として知られてきました。
「体をしっとり潤わせる力」と「消耗した力を補う働き」があるとされていますので、現代の生活でいうと、乾燥しやすい状態や、疲れがたまっているときに役立つイメージです。
この阿膠の代用品となるのが、ゼラチンです。
ゼラチンはコラーゲン由来の動物性タンパク質が主な成分で、漢方の阿膠に近い"体を潤す""補う"という働きが期待されています。何より安価で日常的に取り入れやすい食材というのが、うれしいですよね。
栄養価でいうと、乾燥ゼラチン5g当たり約4.5g前後のタンパク質を取ることができます。成人の1日に必要なタンパク質は、一般的に体重1kg当たり約1.0g程度(体重50kgなら約50g)が目安とされます。そのため、ゼラチン5gで補えるのは、おおよそ1日必要量の約1割前後となります。
一方で、必須アミノ酸のトリプトファンが含まれていないため、ゼラチンだけでは力不足です。タンパク質としての摂取を意識するのであれば、ほかの食品と組み合わせるのがポイントです。トリプトファンが含まれる食材には、大豆製品(豆腐、納豆、みそ、しょうゆなど)や乳製品(チーズ、牛乳、ヨーグルトなど)、穀類(米など)があります。ごまやピーナッツ、バナナにも含まれています。
ゼラチンが夏におすすめの理由
ゼラチンが夏におすすめの理由は、のどごしが良いうえ、消化されやすく胃腸に負担をかけにくいところです。加えて、腸の粘膜を守る成分も含まれているので、夏に弱りやすい腸のバリア機能を守ってくれます。
体力が落ちているときや、食欲がないときでも取り入れやすく、「少しずつ補う」という漢方的な使い方に向いているのです。
ここでは、簡単に取り入れられる活用法をご紹介します。ゼラチンというとお菓子の材料というイメージを持つ人も多いかもしれませんが、普段の料理でも十分に活用できます。また、いずれの料理も粉ゼラチンを使ったほうが簡単です。

