診察室で見えるのは子どもの一面にすぎず、ほとんどの場合、毎日一緒にいる親から見えているものが真実なのです。
子どもが発達障害かもしれないと不安になったとき、ネットの情報をかき集めても不安を払拭できることはないでしょう。医師に「もう少し様子を見ましょう」と言われても、もし親であるあなたに不安や疑問が残っていたら、自分の「親の目」を信じてください。
「ネットにこう書いてあったから」「お医者さんがそう言ったから」と自分の不安にふたをしてしまってはいけません。あなたの不安に寄り添う医師を探してください。
発達障害と思える症状は、早く気づいて、早く対応を開始することが最重要です。
子どもに診断名をつけることが大事なのではなく、できるだけ早く耳鼻咽喉科や睡眠障害の専門家にも介入してもらい、我が子の脳が成長するために協力し合える医療と育成のチーム作りが大切だからです。不安や心配をあおるようなネットや周囲の意見より、自分の直感を信じましょう。
ADHDの弱み=発達障害ではない
現代の日本では、まだまだADHDは「障害」であり「悪いもの」だと認知されていることが多いのも事実です。
しかし、自身が強いADHD症状に悩まされ、加えてひらがな音読ができないという極端な遅れを感じたことをきっかけに脳の研究を志して半世紀。世界最先端のADHD研究に携わり、1万人以上の脳を診断してきた私がはっきりと断言できるのは、弱み症状だけをとらえてADHDをネガティブに受け止めるのは、間違っているということです。
今や世界ではADHDの強みの研究が進み、その高い能力は社会から大歓迎されているほど、ADHDをポジティブに受け止めるほうが常識になりつつあります。

