山本 無防備にAIの利便性と効率性に溺れてパーソナリティ機能を高めることを怠ると、AIにいいように転がされる存在になってしまうかもしれない。AIとも適切な距離を取れる体をつくっておかないとマズいですよね。パーソナリティ機能を高めていくには、一体どうすればいいんでしょうか?
益田 結論は単純で、感情教育をしっかりしていくことです。人と人との触れ合いを大切にする、痛みを伴う時間に耐える、「それは仕方がないんだよ」と言い続けるなど。
感情教育って、本質的には「一緒にスポーツをする」とか「みんなで音楽を演奏する」とか、「練習してもなかなかうまくならないことを仲間同士で慰め合う」とか、そういう行為なんです。子ども同士がケンカをして、その時は泣くだけで謝らなかったけど、3日くらい経つと謝れるようになる。おそらくそれは脳がその体験を夢や無意識の中で処理をした、ということ。そういう経験がないとダメですね。
社会を「原始社会」と「管理社会」の2つに分けて考えてみる
山本 人間の感情はなくならないし、痛みもなくならない。その事実を子どもの頃から大人まで、いろんな接点で学ぶ機会を持つ。それを社会全体で担保し続けることが重要である、と。ただ、感情教育には時間や体力などのコストがかかるような気もします。どうすればいいのでしょうか?

