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「さてモーターを使うか、とキッチンへ向かう人はいない」——認知科学者ドン・ノーマン博士が、かつて私に放った言葉だ。博士はアップル社で先端技術グループ担当の副社長を務め、いまもIT業界の情報デザインに大きな影響力を持つ。
冷蔵庫もミキサーも、中ではモーターが回っている。だが、それを意識して料理する人はいない。それなのに技術業界の人間は、ついモーターに目を向けてしまう。
AIを「技術」から「道具」へと変えるサービス
昨今、ニュースを賑わしているAIは、オープンAI社のGPT-5.6 Sol、Terra、Luna、アンソロピック社のClaude FableやOpusなど「フロンティアモデル」と呼ばれることもある最先端の「AIモデル」(AIの頭脳とも言える部分)だ。
だが、それらを使いこなして盛り上がっているのはAIに精通している少数派で、現状はまだAIを使いこなせていない人々がほとんどだ。
今、AIの世界は新しいフェーズに入りつつある。そこではAIモデルはモーター、つまり裏方の部品となり、その部品を土台に作られた道具——生活シーンや仕事で役立つAI世代の道具——こそが主役となり、AIに精通した一部の人だけでなく、すべてのビジネスマンや生活者が日々、当たり前にAIを使いこなすようになる。
この秋登場予定のアップルのApple Intelligenceも、技術を意識せず道具として使えることに焦点を当てたAIの1つと言えるかもしれない。
一方、企業向けソフト史上最速級の成長を遂げた「AI道具」の急先鋒、「Genspark(ジェンスパーク)」も注目のサービスだ。

