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AIをすべての人の道具へ、ChatGPTでもClaudeでもない「仕事を終わらせるAI」の正体に迫る

21分で読める
Genspark
ChatGPTやClaudeは自社のAIモデルしか使えないのに対してGensparkはさまざまな会社のAIモデル70種類以上を用途ごとにうまく使い分けて、仕事で使える成果物を作成するのが特徴(写真:筆者撮影)
  • 林 信行 フリージャーナリスト、コンサルタント
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日本の漫画が大好きだというCTOのカイ・ジュー氏(左)はアップル、グーグル、マイクロソフトを渡り歩いたAI業界の大御所、カイフ・リーがその才能を見初めてグーグルに引き入れた人物。CEOのエリック・ジンはマイクロソフトで検索エンジン「Bing」を開発していた(写真:筆者撮影)

漫画好き創業者たちが生み出した勢いあるAI会社

今回参加したGensparkの説明会では、ほぼ1週間、毎日同社を訪問した。最初は、まだスタートしたばかりの小さな会社に、そこまで説明する内容があるのかと半信半疑だった。しかし連日、朝から夕方まで埋められたスケジュールは、会社や技術の説明から、マイクロソフト、オープンAI、アンソロピックといったパートナー企業との対談、投資家目線での同社の魅力まで話題が尽きず、どれも充実していた。

だが、そうした話以上に面白いと思ったのが、それぞれに個性的な創業者たちだ。

4人の中心メンバーのうち、CEOのエリック・ジンとCTOのカイ・ジューは、共に漫画好きである。そうしたところも、日本で通じるソフト作りに影響を与えているのではないか。


実際ジンは、漫画表現や、画像内での日本語・中国語・韓国語の文字表示を正しく描画できることが重要だと、AIモデルを作るパートナー企業に説得していたという。

ジューは、漫画の中ではとりわけ『ジョジョの奇妙な冒険』と、漫画家が主人公の『バクマン。』が好きだと語る。この漫画から学んだのは、漫画でもっとも重要なのは「面白い物語を生み出せるかどうか」であって、画の巧拙はそこまで重要な差別化要因ではないということ。そして「自分には漫画を描く画力はないが、良い物語を思いつけば、AIの助けでそれを形にできるかもしれない」と、AI時代に新世代のクリエイターたちが誕生することに期待を寄せる。

同社を訪問して、もう1つ感じたことがある。株式公開前のグーグルやTwitterのような、昔懐かしいITスタートアップの匂いだ。

会社としてのまとまりや、ブランド戦略といったものはほとんどない。エンジニアたちが、それぞれの思いで「この機能が大事」と考えた機能を、昼夜を忘れて開発している。だから脈絡なく色々な機能が出てきて、その名前や仕様が頻繁に更新される。少しカオスなところもあるが、その日々新しくなっていく感じが、使う人たちの楽しさにもつながっている。

その詳細は7月21日、アメリカ、日本、韓国で同時に発表会を行って紹介される。法人向けのローンチイベントとオンライン開催の個人ユーザー向けローンチイベントが用意されているようだ。

なお、創業者らのソーシャルメディアの投稿を見ていると、同社は頻繁に日本を訪れ、誰もが知る大企業にも足を運んでいる。今後、かつてのEvernoteがそうしたように、AI道具時代の定番ツールとして日本のビジネスシーンを席巻する可能性も十分にある。来週の新バージョン発表の内容も含め、注目していく必要がありそうだ。

7月21日、Gensparkはニューヨーク、東京、ソウルの3都市で同時に発表会を行い「Genspark 6.0」を発表する。取材イベントでは、そのポスターをGensparkに作らせていた。瞬時に3種類のパターンが作成されたが、これはそのうちの1つ(写真:筆者撮影)

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