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AIをすべての人の道具へ、ChatGPTでもClaudeでもない「仕事を終わらせるAI」の正体に迫る

21分で読める
Genspark
ChatGPTやClaudeは自社のAIモデルしか使えないのに対してGensparkはさまざまな会社のAIモデル70種類以上を用途ごとにうまく使い分けて、仕事で使える成果物を作成するのが特徴(写真:筆者撮影)
  • 林 信行 フリージャーナリスト、コンサルタント
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オープンAIも、CEOのサム・アルトマンがニューヨークで開いたエンタープライズAI発表会に同社を招いたほか、注目の顧客事例として頻繁に紹介している。

アンソロピックとの関係はさらに深い。同社を「AIネイティブ」戦略の重要な1社に選び、モデルの方向性の議論、初期モデルのテスト、研究ベースでの協働にまで踏み込む。国際空港などで展開している広告でも、主要パートナー6社の1つに数えられている。

多方面から集まる信頼や期待は、実績にも結びついている。2025年4月に投入した業務自動化AIエージェント「スーパーエージェント」の公開から12カ月で、売上ゼロから年間経常収益(ARR)2億5000万ドルに到達。2026年第1四半期だけで約1億5000万ドルを積み増した。企業向けソフト史上でも最速級のARR成長である。

年間経常収益2億5000万ドル、6000社以上を獲得。Gensparkは口コミだけで広がったにもかかわらず企業向けソフト史上最速の成長で大きな注目を集めるようになった(写真:筆者撮影)

検索エンジンからタスクエンジンへと進化

「フロンティアモデルの開発会社が作っているのはエンジン。私たちが作っているのは車」——Gensparkの中核メンバー4人の1人で、現COO(最高執行責任者)のウェン・サンは、自社の立ち位置をそう説明する。

フロンティアモデルは偏微分方程式すら解く能力があるかもしれない。しかしそれ単体では、座席もハンドルも内装もない、剥き出しの動力にすぎず、人をどこにも運んでくれない——サンはそう言う。動力の周りに車体を組み上げ、乗った人を目的地まで運ぶ「車」をつくること。すなわち、そのまま使える成果物をつくるAIを提供すること。それがGensparkだという。冒頭で紹介したノーマン博士の言葉にも重なる。

この威勢のいい会社が誕生したのは2023年12月。半年後の2024年6月に出した最初の製品は「検索サービス」だった。中心創業メンバーでCEO(最高経営責任者)のエリック・ジンはマイクロソフトで検索サービス「Bing」を、CTO(最高技術責任者)のカイ・ジューはグーグルやバイドゥで検索サービスを手掛けてきた。自然な選択だったといえる。サービスは一時、数百万人規模のユーザーを集めるほどの勢いを見せた。

しかし同社は、すぐにそもそもの「問い」を立て直す。ジンはマイクロソフト時代から「検索エンジンから“タスクエンジン”へ」という標語を掲げていた。

「人は検索そのものを欲しているわけではない。プレゼン資料を作ったり、報告書をまとめることが真の目的で、その手前で検索をしているだけだ」

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