昔は技術が追いつかず、標語は標語のまま終わった。だが、その間にAIは進化した。2024年9月頃、ユーザーの要求に応えて品質の高い結果を出す「オートパイロットエージェント」という機能を出すと、質の高いプレゼンテーションスライドや書類が作れるとたちまち評判になる。これを受けて2025年4月、業務自動化AIエージェント「Gensparkスーパーエージェント」を発表し、新たなスタートを切った。
任務を高いレベルで完遂するエージェント型AI
ここで、度々触れてきた「エージェント」という言葉をきちんと説明しておきたい。
通常の生成AIは、ユーザーからの要求に一気に応えようとする。そのため出力結果が十分にブラッシュアップされていなかったり、場合によっては強引に応えようとして嘘の情報が混じったりする。
そこで、良い答えを出すにはどう応えたらいいか筋道を考えてから応える「推論エンジン」と呼ばれるAIモデルが登場し、AIの成果物の品質はかなり上がった。しかしそれでも、1回のやり取りでできる作業範囲で答えを出すため、込み入った要求には応えられない。
これに対してエージェント型のAIは、計画書を作った後、その内容が一定以上の品質で完遂されるまで作業を続ける。しかも場合によっては、成果物ができた後にその品質をチェックし、形を整えてから結果として返す。このため複雑な機能を持つコンピュータープログラムの開発などをさせても問題が少なく、これまで凄いと言われてきた単純な生成AIと比べても、飛躍的に高い品質の成果物が作れる。
IT業界では、こうしたエージェンティックAIの台頭を前に「SaaSの死」という言葉が広まった。月額料金などを支払って利用するさまざまなWebサービス「SaaS(Software as a Service)」が、エージェンティックAIの普及で無用になるという意味だ。
実際、Gensparkの取材中、同社の社員が「それでは、Gensparkに人気のクラウド型ストレージサービスのクローンを作らせてみましょう」と言って、実在するサービス名を入れて「〜〜のようなサービスを作って」と頼んだ。十数分後には、似たようなサービスの骨組みができあがっていた。しかも、AIに作らせたサービスを自社サーバーで運用すれば月額費用はなくなるし、必要であればAIにプログラムの修正を依頼して、自分好みに作り直すこともできる。

