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AIをすべての人の道具へ、ChatGPTでもClaudeでもない「仕事を終わらせるAI」の正体に迫る

21分で読める
Genspark
ChatGPTやClaudeは自社のAIモデルしか使えないのに対してGensparkはさまざまな会社のAIモデル70種類以上を用途ごとにうまく使い分けて、仕事で使える成果物を作成するのが特徴(写真:筆者撮影)
  • 林 信行 フリージャーナリスト、コンサルタント
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エージェンティックAIはGensparkの専売特許ではない。Manusなどのライバルサービスもあれば、ChatGPTやClaudeにもエージェント機能が搭載されている。

そんな中でGensparkが強みとする技術を支えているのが、CTOのジューだ。

「いま大規模言語モデルは毎週のように新しいバージョンが出ており、しかもモデル間の性能差は縮まりつつあります。チャット画面越しに触れる程度では、もはや素人には各AIモデルの違いが分からないでしょう。ならばユーザーに代わってGensparkが、どの作業にはどのAIモデルを使うかの選択を行った方が良いと思います」

同社は新モデルを公開前から触って評価する自前の仕組みを持ち、タスクごとに最適なモデルを割り当てているという。常に最強のAIモデルを使うのではなく、単純な作業には軽くて速いモデルを充てる。この品質とコストのバランスを取る設計が、Gensparkの高い評価につながっている。

口コミで広がった人気

検索からエージェンティックAIサービスへと舵を切ったGensparkだが、最初の1年はほぼ宣伝を打っていない。それでも公開から45日で200万ユーザーを獲得し、9カ月でARRは1億ドルに届いた。純粋に口コミの効果だった——サンはそう振り返る。

Gensparkの作る資料やプレゼンスライドは質が高く、そのまま仕事で使える水準にある。それを会議で見た同僚が「どうやって作ったのか」と尋ねる。教わった人は、また別の同僚や他社へと口コミを広げていった。

特に定評があったのが、プレゼンテーションスライド作りだ。ただしソーシャルメディアなどでこの特徴ばかりが強調されてきたため、一部では「Gensparkはスライド作成専用AI」という誤ったイメージが定着してしまったという。

実際のGensparkは、かなり幅広い使い道に対応している。そこで同社は、ユーザーがもっと幅広い用途に活用してくれるよう、表作成、動画や音の作成、動画の分析といった人気の用途をアイコンにして画面に並べるようにした。

他のAIと同様、いきなりプロンプトを打ち込んでもいい。だが不慣れな人は、まずアイコンを選んで何を作りたいのかを決めた上で、頼みたいことを書けばいい。例えば「AIシート」を選んで「2019年から2025年までのインバウンド観光客の推移を表にして」と書く。すると日本政府観光局(JNTO)が信頼のおけるデータを出していることを見つけ出し、各年の統計発表を抜き出して表を作り、そこからグラフまで作成してくれる。

頼み事は、もはやキーボードから入力する必要すらない。マイクに向かって音声で言えば、それを認識して叶えてくれる。ジンCEOの英語は中国語訛りが強いのだが、それでもほとんど間違わずに認識する。同社は音声認識の技術にも優れている。

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