「手に負えない感情」から距離を置いた
子どもは、両親が離婚するなんて思わないものだ。子どもにとって、親というものは、世の中の仕組みをよく知っていて、分別ある行動ができる大人に見える。もちろん、夫婦喧嘩をすることはあるだろう。でも、離婚なんてするわけがない。
でも、私がスピードスケートで頭角を現し始めた1999年前後、両親は別れた。悲しみ、愛情、わかり合えないという感情、痛みが入り混じって、母と父のあいだには複雑な感情の嵐が吹き荒れていた。この頃、私は父とよく衝突した。夫婦の問題で、父が怒り、途方に暮れているのはよくわかった。でも、私には父の怒りが理解できず、つい腹を立ててしまった。父は大人ではないのか?
両親が離婚する前もその後も、私はずっと母の味方だった。家も買ってあげたし、様々な形で彼女を支えようとしてきた。父への怒りは、十分に消化せずに放っておいた。彼とは距離を置いた。状況を深く理解しようとせず、ひたすらスケートに集中しようとした。私の判断は固まっていた。悪いのは父だ。父が悪者だ。だから、一切の接触を断つ。どうせ父と一緒にいても、ネガティブな気持ちになるだけだ。

