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「ショーで人気」死んだアシカの心臓に棲みつく"そうめんのような"生物が物語る、動物園が抱える獣医師不在の深刻度

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カリフォルニアアシカ
ショーで人気、アシカの死が教えてくれたこととは……(写真:しろまる/PIXTA)
  • 中村 進一 獣医師、獣医病理学専門家
  • 大谷 智通 サイエンスライター、書籍編集者

INDEX

飼っている動物が病気になったら、動物病院に連れていきますよね。動物病院には外科、内科、眼科など、さまざまな専門領域の獣医師がいますが、獣医病理医という獣医師がいることを知っていますか?
この記事では、獣医病理医の中村進一氏がこれまでさまざまな動物の病気や死と向き合ってきた中で、印象的だったエピソードをご紹介します。

死んだカリフォルニアアシカ

獣医師のいない動物園から、一頭のカリフォルニアアシカの病理解剖を依頼されました。

17歳になるメスで、「しばらく前から皮膚炎をわずらっており、何とかしようとしていたが治らないまま亡くなった」とのことでした。園内では病理解剖を行う設備がないため、遺体は建設現場などでよく使われているトロ舟に乗せられて、ぼくのいる大学に持ち込まれました。

カリフォルニアアシカは、前々回に取り上げたアザラシと同じ鰭脚(ききゃく)類です(記事はこちら)。鰭脚類とは、遊泳に適したヒレ状の四肢を持つ海棲(かいせい)哺乳類のグループをいい、アザラシ科、セイウチ科、アシカ科がそれにあたります。

その名のとおり、北東太平洋の北アメリカ西岸やカリフォルニア湾に生息しているアシカで、個体数が比較的多いため、動物園や水族館でもよく展示されています。知能が高く、人間が訓練を施すことで、さまざまな行動を覚えます。

飼育員やトレーナーの指示に従って拍手をしたり、輪をくぐったり、鼻先にボールを乗せたりする「アシカショー」を、動物園や水族館で見たことがある人も多いのではないでしょうか。

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