死んだカリフォルニアアシカ
獣医師のいない動物園から、一頭のカリフォルニアアシカの病理解剖を依頼されました。
17歳になるメスで、「しばらく前から皮膚炎をわずらっており、何とかしようとしていたが治らないまま亡くなった」とのことでした。園内では病理解剖を行う設備がないため、遺体は建設現場などでよく使われているトロ舟に乗せられて、ぼくのいる大学に持ち込まれました。
カリフォルニアアシカは、前々回に取り上げたアザラシと同じ鰭脚(ききゃく)類です(記事はこちら)。鰭脚類とは、遊泳に適したヒレ状の四肢を持つ海棲(かいせい)哺乳類のグループをいい、アザラシ科、セイウチ科、アシカ科がそれにあたります。
その名のとおり、北東太平洋の北アメリカ西岸やカリフォルニア湾に生息しているアシカで、個体数が比較的多いため、動物園や水族館でもよく展示されています。知能が高く、人間が訓練を施すことで、さまざまな行動を覚えます。
飼育員やトレーナーの指示に従って拍手をしたり、輪をくぐったり、鼻先にボールを乗せたりする「アシカショー」を、動物園や水族館で見たことがある人も多いのではないでしょうか。

