この出来事をきっかけに、飲食業についてもっと深く学びたいと考えるようになる。森尾さんはその後、外食企業を主な顧客とするコンサルティング会社へ入社し、経営や事業運営の知見を磨いていった。
「食のあるべき姿を追求する」揺るがないビジョンに共感
その数年後に出会ったのが、APHD創業者の米山久社長だ。米山さんが掲げていたのは、「食のあるべき姿を追求する」という理念だった。森尾さんは、その考え方に強く共感したという。
「消費者においしいものを届けるという壮大なビジョンは、どんな困難に直面しても揺るがないと思いましたね」
そう確信し、森尾さんは2011年にAPカンパニー(当時)に入社。その4年後の2015年、子会社 塚田農場プラスの社長に就任する。
そして就任からほどなく、会社の将来を左右する大きな決断を下す。2015年7月、自社工場を取得したのだ。投資負担も大きく、決して簡単な判断ではなかった。しかし、この決断こそが後に塚田農場おべんとラボの競争力を支える土台となる。
なぜ10年前の投資が、いま大きな差となって表れているのか。後編では、英断が生み出した「逆転現象」の正体に迫る。

