ファミリークローゼットは、脱衣室と直結させた。入り口を1箇所に絞ったのは、子ども時代から不便だと感じていた「着替えの最中にどちらかのドアが開けられそうで気が休まらない」というストレスを解消するためだ。
「お風呂に入るようなお客さんだったら、もう収納のなかを見られてもいいぐらいの関係だなと思って。あえてファミリークローゼットからしか出入りできないようにしました。それで壁ができるので、モノも置けます」
洗面台は、思い切って廊下に出した。平屋では独立した洗面室を設けたが、今回はスペースの制約でそれが難しい。それなら廊下で十分だ、と割り切った。この配置により、2つのトイレどちらにも手洗い器を設ける必要がなくなった。掃除する箇所がひとつ減る、一石二鳥の配置だ。
窓が多すぎて個室に向かなかった角部屋は、リビングに変えた。壁が少ない部屋は家具を置きにくいが、リビングなら窓の多さが逆に開放感につながる。3LDKから2LDKに部屋数を減らすことで、喫煙スペースの設置は叶わなかったものの、限られた面積のなかにファミリークローゼットを確保した。
経験を積み重ねて住まいも進化
2つのトイレの配置には最後まで苦労した。大塚さんが描いた間取り図をリフォーム会社に見せたところ、「トイレはひとつがパイプスペースに接していないと無理」という回答が返ってきた。結果、音漏れが気になっていた「玄関横のトイレ」が、どうしても避けられなかった。
ただし、大塚さんはリフォーム会社から提示された修正案をそのまま受け入れたわけではない。修正案では脱衣室の形が使いにくく、入り口も2箇所になっていた。そこから大塚さん自身がさらに手を加え、トイレの位置を微調整し、土間を突き当たりまで広げ、脱衣室を長方形に整えた。最終的な間取りは「希望→リフォーム会社の修正案→自分の再調整」という3段階のプロセスを経て完成した。
「平家を建てた経験があったからこそ、今回のリノベーションでこれができた。前のときもすごく考えたけど、今のほうが経験がある分、やっぱり設計の精度は上がっていると思います」

