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少子高齢化に歯止めのかからない日本。全国各地で問題となっているのが、地方ローカル線の存廃だ。鉄道事業を営むには、車両や線路などの大規模な設備を用意せねばならず、安全のために定期的な保守と修繕も欠かせない。
沿線住民の足として栄えたのも今や昔、利用者数の減少でこうした費用をペイできなくなり、慢性的な赤字状態に陥っているケースも珍しくない。経営の低迷はサービスの悪化を招き、さらに乗客が減る負のスパイラルを起こす。
一方、車を運転できない高齢者や学生など、公共交通を必要とする人々は、今も確かに存在している。そこで路線を残すための最終手段が「上下分離方式」だ。設備面の維持や管理コストを自治体に負担してもらい、鉄道事業者は運行業務に専念する。
前編では、近江鉄道(滋賀県彦根市)が自治体との長い議論の末、「公有民営化」で再生を果たしつつある過程を紹介した。後編の本稿では、地域ぐるみで新たな賑わいを生み出そうとする、同鉄道の取り組みに迫る。
沿線企業との交流がヒントに
関西近郊や静岡、愛知あたりから集った小学生のサッカーチームが、近江鉄道沿線の競技場で2日間の大会を戦う。優勝賞品は特産の近江牛だ。会場には地元企業が出店し、名産品を売ったり、体験プログラムを提供したりする。応援や引率で訪れた保護者や兄弟が試合の合間にそれらを楽しむ――。
そんなスポーツツーリズムのイベントを、近江鉄道が11月頃に開く。同社としては初の試みという。32チームの参加を想定し、選手やその家族など延べ2200人規模の動員を見込む。鉄道の利用増だけでなく、消費効果を地域全体へと波及させる狙いだ。大会後、上位2チームの名をヘッドマークに飾った特別電車も運行する予定だ。
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