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基礎からわかる中東情勢/今さら聞けない「ホルムズ海峡」をめぐる疑問を専門家に聞いてみた

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4月20日、ホルムズ海峡付近でパトロールする米軍(写真:Handout / Handout)

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混迷が続く中東情勢。ホルムズ海峡の封鎖による悪影響が顕在化しつつある。すっかり身近になった感のあるホルムズ海峡だが、一般読者にはよくわからないことも多いのでは。関連ニュースを理解するため、そして今後どうなるかを考えるために、国際海運に詳しいShippioの川嶋章義エバンジェリストに基礎からわかりやすく解説してもらった。

――そもそもホルムズ海峡、なぜこれほどまでに重要なのですか。

イランとアラビア半島に囲まれたペルシャ湾を出入りする際、必ず通らねばならない海峡だからだ。同湾にはイランのほか、サウジアラビアやUAE(アラブ首長国連邦)、カタールなどが面しており、原油の一大産地となっている。

原油は超大型のタンカー船で運ばれるため、ホルムズ海峡を通って世界各地へと届けられている。その量は世界の原油消費量の約20%に上る。特にアジア圏の中東へのエネルギー依存度は極めて高く、日本も輸入する原油の約95%を頼っている。

ヨーロッパ諸国も近年、中東産エネルギーの比重を高めてきた。ロシアによるウクライナ侵攻後、経済制裁のためにロシア産を購入しづらくなったためだ。イランによるホルムズ海峡の封鎖は、世界経済を人質に取った軍事作戦といえる。

コンテナの確保にも支障

封鎖でエネルギー以外にも、コンテナ船に悪影響が生じている。ペルシャ湾内に位置するドバイのジュベル・アリ港は、世界9位のコンテナ取扱量を誇る。大型船でここまで運び、小型船に積み替えてパキスタンやインド、アフリカなどに送っている。

いわば「中東のハブ」となる港が今、沈黙状態となっている。行き場を失った中東向け貨物がインドやスリランカ、シンガポールなどの港で滞留し、港湾混雑を引き起こす1つの要因となっている。

コンテナは血液が体内を循環するように、世界の海を巡っている。だが、ホルムズ海峡封鎖によって、推計で50万~60万個のコンテナが中東で滞留し、アジアに戻らなくなっている。日本や中国では製品を輸出する際に、コンテナを確保しにくくなったとの声も出ている。

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【世界の経済を人質に】

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