――そもそもホルムズ海峡、なぜこれほどまでに重要なのですか。
イランとアラビア半島に囲まれたペルシャ湾を出入りする際、必ず通らねばならない海峡だからだ。同湾にはイランのほか、サウジアラビアやUAE(アラブ首長国連邦)、カタールなどが面しており、原油の一大産地となっている。
原油は超大型のタンカー船で運ばれるため、ホルムズ海峡を通って世界各地へと届けられている。その量は世界の原油消費量の約20%に上る。特にアジア圏の中東へのエネルギー依存度は極めて高く、日本も輸入する原油の約95%を頼っている。
ヨーロッパ諸国も近年、中東産エネルギーの比重を高めてきた。ロシアによるウクライナ侵攻後、経済制裁のためにロシア産を購入しづらくなったためだ。イランによるホルムズ海峡の封鎖は、世界経済を人質に取った軍事作戦といえる。
コンテナの確保にも支障
封鎖でエネルギー以外にも、コンテナ船に悪影響が生じている。ペルシャ湾内に位置するドバイのジュベル・アリ港は、世界9位のコンテナ取扱量を誇る。大型船でここまで運び、小型船に積み替えてパキスタンやインド、アフリカなどに送っている。
いわば「中東のハブ」となる港が今、沈黙状態となっている。行き場を失った中東向け貨物がインドやスリランカ、シンガポールなどの港で滞留し、港湾混雑を引き起こす1つの要因となっている。
コンテナは血液が体内を循環するように、世界の海を巡っている。だが、ホルムズ海峡封鎖によって、推計で50万~60万個のコンテナが中東で滞留し、アジアに戻らなくなっている。日本や中国では製品を輸出する際に、コンテナを確保しにくくなったとの声も出ている。
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【世界の経済を人質に】
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