その結果、「男性に経済力があれは、かなり年下の女性と結婚できる」という価値観は”昭和の時代の価値観をいまだに持つ一部の男性”を除き、婚活市場では通用しなくなってきている。
実際に、その変化を実感した男性がいる。
自営業のとしや(51歳・仮名)は、年収2000万円を超える経営者だ。30代後半で離婚を経験したあと、40代半ばから結婚相談所で婚活を始めた。当時は30代女性ともなんとかお見合いが組めていた。
彼が結婚を望んだ理由は明確だった。「子どもを授かり、家庭を築きたい」というものだ。
ところが、婚活中に父親が病気で余命宣告を受け、故郷と東京を何度も往復する生活が始まってしまう。婚活は中断せざるを得なくなった。父親を見送り、残された母親の心のケアや父親の遺産整理も落ち着いたころに、改めて結婚を意識するようになったが、そのときにはすでに50代に入っていた。
としやが結婚相談所に再登録したのは、51歳。状況は以前と一変していた。申し込みが届くのは40代半ば以降の女性が中心で、自身が希望する30代女性とのお見合いは、ほぼ成立しなくなっていた。
「40代と50代では、こんなに違うんですね」
そう言って、彼は大きなため息をついた。それでは自ら動こうと、30〜38歳の女性約30人に申し込みをしたものの、結果はすべて不成立だった。
現在の婚活では、女性が見ているのは年収だけではない。年齢差に加え、生活をしていく価値観が合うか、会話を楽しめるか、家事や育児を協力して担ってくれる相手か……。そうした要素を総合的に見て結婚相手を選んでいる。
もちろん経済力も結婚には大切な要素なのだが、同時に、人生を対等に歩めるパートナーなのかどうかが重要視されるようになったのだ。
女性も年収を書く時代に
また婚活市場で近年大きく変わったと感じることに、女性年収の捉え方がある。
結婚相談所の女性の場合、年収は任意項目なので、プロフィールに記載してもしなくてもよい。以前は「女性は年収を書かないほうが、婚活に有利」と考えられていた。低い年収を知られたくないという理由だけでなく、高年収であれば男性から敬遠されるのではないか、とも考えられていたからだ。

