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定年後「気づけば家庭に居場所がなかった」男性の末路 医師が語る"孤独で惨めな老後を回避する"ため50代からすべきこと

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寝ている男性
定年後の人生の明暗を分ける「境界線」はどこにある?(写真:jessie/PIXTA)
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しかし、起きる時間が遅くなり、外に出るのがおっくうになり、人と話す機会が減る。服装に気を使わなくなり、テレビの前で一日を過ごす。やがて表情や動作まで乏しくなっていきます。これは単なる怠けではありません。人生の大部分を占めていた役割を失ったことによる、心身の反応です。

退職と健康の関係については、退職によって仕事のストレスが減り、健康になる人がいる一方、抑うつや身体活動の低下が起きる人もいることが報告されています。特に、仕事への心理的な依存が強く、会社以外の人間関係や趣味が少ない人ほど、退職後の空白を埋めにくくなります。

つまり、仕事ができた人ほど危険なのではありません。「仕事をしている自分だけが価値のある自分だ」と思ってきた人ほど、定年後に心の支えを失いやすいのです。

妻からの「濡れ落ち葉」扱いが引き金で発症する熟年うつの恐怖

定年後の男性を待ち受ける、もう一つの問題があります。家庭に戻ったつもりが、そこに自分の居場所がないという現実です。

現役時代、夫は家族のために一生懸命働いてきた。けれども、家事、地域との付き合い、子どもとの関係、日々の細かな予定は、ほとんど妻が担っていた。夫は家族を支えてきたつもりでも、家庭という現場では長年「不在の人」だったのです。その夫が定年後、突然一日中家にいるようになります。

「昼ごはんは何?」

「今日はどこへ行くんだ」

「一緒に行こうか」

夫には悪気がなくても、妻にとっては、自分のペースで築いてきた生活に急に踏み込まれたように感じることがあります。妻が外出すると寂しくなる。自分だけ置いていかれた気がする。妻の行動が気になり、何でも一緒にしたがる。

すると妻は夫を「濡れ落ち葉」のように感じ始めます。夫はそんな妻の態度から、「自分は邪魔者なのではないか」と傷ついていきます。そこから熟年期のうつが始まることがあります。

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