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ビジネス #7つの激変

孫正義「上等だよ。どっちかが潰れるまでやってやるよ」PayPay「100億円キャンペーン」は「狂気」から生まれた

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孫正義氏
社会現象を巻き起こしたPayPayが仕掛けた「奇策」とは?(撮影:尾形文繁)
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8%が一転、20%に。まったくの想定外でしたが、ともかく還元率は決まりました。やれやれ……といったん心を落ち着かせようとした私は、急にハッと我に返ります。もう1つ、解決すべき問題が残されていました。

孫さんの足がぴたりと止まる。そして…

キャンペーンの総額の上限が決まっていなかったのです。キャップをかけないと青天井で資金が流れていき、吹けば飛ぶようなベンチャーの米びつは一瞬で枯渇してしまいます。

会議が終わり、次のアポイント先へと足早に向かう孫さんを、私はあわてて追いかけました。孫さん一行に追いつくと、エレベーターホールへと続く廊下を並んで歩きながら「孫さん、もう1つだけよろしいですか」とお伺いを立てました。

「予算の上限ですが、とりあえず100億円でどうでしょうか?」

「うーん、本当は1000億くらいいきたいところだけどなぁ。じゃあ、いったん100億でやってみるか」

孫さんは歩みを止めることなく、しぶしぶ頷きました。

なんとか承認は取りつけた……。ホッとして立ち止まる私と、エレベーターに向かってつかつかと歩いていくインターネット産業界の巨人。その背中に向かって、私は最後に問いかけました。

「孫さん、このキャンペーンをやったら、LINE Payが必ず追撃してきます。とんでもない叩き合いになりますよ。それだけの覚悟を持ってやりますか?」

数メートル先を歩いていた孫さんの足が、ぴたりと止まりました。そして、くわっとこちらを振り返りました。

「上等だよ。どっちかが潰れるまでやってやるよ」

——そんな一幕もあって「100億円あげちゃうキャンペーン」は生まれました。

結果を言いましょう。キャンペーンが始まるや、対象店舗のあちこちに長蛇の列が。「2カ月は持ってくれるかな」と社内で話していた予算の100億円は、わずか10日であっという間に使い切ってしまいました。でもそのインパクトは甚大で、ユーザー数はみるみるうちに増えていきました。

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