業界初の"つくって売る"ビジネスモデルで成功
日本では古来より、地域の素材と職人技による工芸品が生活に根付いていたが、1980年代からは、安くて大量につくれる工業製品や海外品が増えたこと、また、ライフスタイルの変化によって、手間と時間がかかる工芸品の需要は急速に減少した。1980年代に約5400億円あった工芸品の産地出荷額は、2000年には約870億円まで縮小。手仕事による少量生産ゆえに価格競争が難しく、各地で工芸品メーカーの衰退が進んでいたのである。
株式会社中川政七商店は、1716年創業の日本の老舗企業で、奈良で高級麻織物の卸問屋として創業した。2000年代からは麻織物にとどまらず、工芸を軸とする生活雑貨の製造小売業を展開し、職人技と手仕事の美しさを守りながら、現代の暮らしに合った製品を開発している。そして、「中川政七商店」ブランドを中心に67店舗を全国展開し、工芸業界が縮小を続ける中にあっても堅実な成長を遂げ、産業全体の再生を牽引する存在となった。

