ここまでして若竹丸の寿司を食べたいと思う理由には、まず座席が快適なことにある。おひとりさまであれば間違いなく案内されるのがカウンターだが、その椅子は二人掛けと一人掛けのソファ。座るとほどよくふかふかで、なんと贅沢な空間だろうと感じる。
隣の席とはパーソナルスペースが保たれる心地いい間隔。小皿に湯呑み、割り箸やお湯の出る蛇口など、目の前にほしいものが全部そろっている。
例えばこういうとき、店によっては隣の人と共有になっていることはないだろうか。筆者にとっては「すみません」と断りを入れて、その人の眼前を横切るように腕をにゅっと伸ばすのがプチストレスだったりする。なので、本当にありがたいのだ。
オーダーはタブレットでサクサクと……でも良いのだが、ぜひ、メニュー表を一度眺めてみてほしい。これはいわば若竹丸の地図。食べる戦略を立てられるうえ、寿司やサイドメニューの写真が小さくびっしりと並んでいるのがなんとも可愛いのだ。
ホームドアのような扉が開き、特急レーンで寿司がやってくる
「ピンポンピンポン♪」のチャイムが鳴れば、上下どちらかの特急レーンで寿司がやってくる。上は先述したとおり新幹線のレーン。下は両側を板でガードされているレーンだ。客の真正面を通るため、うっかり取ってしまったり飛沫が飛んだりといったリスクへの対策だろう。衛生管理の徹底ぶりを感じる。
ドアが開く前の寿司のシルエットがバラエティ番組みたいで面白い。ズゴゴ……と音を立てながら扉が開く様子は、まるで駅のホームドアだ。

