「東大生は、親から"勉強しなさい"と言われたことがない」という話を、耳にしたことがある親御さんも多いのではないでしょうか。
実際、ひまわり教育研究センターが現役東大生220名を対象に実施した調査(2022年)でも、「親から勉強しなさいと言われたことがない」と答えた東大生は全体の24%。一方で、「1日5回以上言われた」という東大生は13%にとどまりました。
この結果を受けて、多くの教育系メディアではこう語られます。
「だから、子どもには勉強しなさいと言わず、自主性に任せたほうがいいんです」と。実は僕も、長くこの説明が"正解"だと思っていました。
しかし最近、全国の子どもたちと親御さんを見ていて、「本当の理由は、もっと別のところにあるのではないか」と考え始めています。
10時間勉強しても落ちる子、5時間でも受かる子
僕の周りには、いろんなタイプの受験生がいます。1日13時間睡眠時間を削って勉強しているのに東大模試でD判定から動かない生徒もいれば、その一方で、1日5時間しか勉強していないのに、A判定を取ってくる生徒もいます。勉強時間が長ければいい結果が得られるということではなく、むしろ部活や他の課外活動で勉強時間が限られているからこそ効率よく勉強できるという人もいます。
勉強時間が長ければいいってものでもなく、むしろ「やめる判断」ができる受験生のほうが伸びる場合があります。「この参考書、もう自分には必要ない」「今日のこの問題は、解けるようになったからもう繰り返さなくていい」「この単元はもう完璧だから、別の弱点に時間を回そう」——こうした判断を自分で下し、「1時間以内にこれを終わらせよう」「これに2時間もかけていてはならない」と勉強時間をどんどん効率的にしていっているわけです。
逆に、伸び悩む子は、「とにかく時間をかける」ことで安心しようとします。同じ参考書を5周も6周もする。すでにできる問題を、何度も解き直す。やめどきがわからない。だから、10時間机に向かっていても、内容はスカスカなのです。


