西村:誤解を招くかもしれませんが、デジタル化が進んでいる学校ほど、子どもたちがどこか萎縮しているように感じることがあります。
窪田:それは意外ですね。どういう場面でそう感じますか?
西村:宿題も途中計算もすべてタブレットで完結する学校が増えていますが、子どもたちが「イキイキしていない」印象を受けるんです。ある塾ではPCで進捗を集計して他の子とリアルタイムで比較できる仕組みになっていて、これは競争を煽る側面が強く、精神衛生上あまり良くないと感じています。
ショート動画を見続けると成績に影響
窪田:デジタルの便利さもある一方で、使い方によっては逆効果になってしまうんですね。
西村:特に、ショート動画を見続ける習慣は成績を下げる大きな要因だと感じています。次々と流れてくる短い動画を受動的に見続けることで、深く考える力が奪われてしまう。
窪田:シンガポール大学の研究者の方が話していたのですが、学習効果の観点から、デジタル教材をやめて紙の教科書に戻す動きが出ているそうです。紙の方が記憶定着がいいというデータが出ているとのことでした。
西村:それは興味深いですね。
窪田:また、ある著名な教授は授業を受ける学生全員に、SNSアプリをスマートフォンから削除させているそうです。理由は「自分でアテンション(注意)をコントロールできるようにするため」。学生たちは口を揃えて「生活が良くなった」「人間らしい時間が戻った」と言っていたのが印象的でした。
西村:社会科の授業でGoogle Earthを使うと、子どもたちが一気に理解してくれることもあります。こうした「学びを助けるデジタル」は本当に便利ですよね。
窪田:ただ、赤ちゃんを泣きやませるためにタブレットを渡すケースがありますが、これは注意が必要です。幼少期に「自分の感情をどう鎮めるか」という経験を積まないと、大人になってから感情のコントロールが難しくなるという研究結果も出てきています。
西村:結局のところ、家庭内での「デジタルとの付き合い方のルール」が大きな課題ということですね。



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