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ホンダ、巨額赤字で有力OBが三部社長に退任勧告…裏で進むガバナンス改革と次期社長候補に浮上した「40代幹部の正体」

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ホンダの三部社長
ホンダの三部社長は社員に対し反省の弁を何度も述べながら、続投の意思を示した(撮影:尾形文繁)

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「社内外から厳しい声が上がっていることは十分に認識している。皆さんに不安な思いをさせてしまっていることに改めてお詫び申し上げる」――。ホンダの三部敏宏社長は2026年4月の社員向けビデオメッセージでそう謝罪した。

26年3月期、ホンダは屋台骨である四輪事業で1兆4111億円の営業赤字を計上した。その最大の要因は1兆4536億円に上るEV(電気自動車)事業に関連する巨額損失だ。これまで電動車戦略の主力に据えてきたEV関連資産の除却・減損や、新EVブランド「ゼロ」など3車種の販売中止に伴う費用が重くのしかかった。

ホンダは21年に、40年に世界で販売する新車をすべてEV・FCV(燃料電池車)にする脱エンジン目標を掲げた。だが主力市場のアメリカではトランプ政権が、バイデン前政権のEV優遇策を次々と修正するなど、現地のEV需要は低迷。高らかに掲げた「脱エンジン」の旗を、事実上降ろすことになった。

ビデオメッセージで三部社長は「なぜもっと早く修正の判断ができなかったか、さまざまな可能性を想定して複数の選択肢を備えられていたか、意思決定のプロセスや情報共有の在り方、さらには風土に問題があったのか。経営トップとして自省し、これからの学びとして取り組みに反映していく」と述べた。

社内外でくすぶる不満

ただ社内からは厳しい声が多く上がる。

「結果がすべて。責任を取って誰かが辞めていない以上、今さら何を言っても社員全体の心に響かないのではないか」。あるホンダの中堅幹部はため息をつく。

開発部門のある幹部は「トヨタは当初からHV(ハイブリッド車)やガソリン車も含めた全方位で開発・販売を進めて利益を出している。そもそもすべてEVにするという計画自体が顧客を見ていなかったということだと思う」と淡々と話す。

外部からも厳しい意見が上がる。長年ホンダとビジネスを積み重ねてきた有力なホンダ系部品メーカーや販売会社の首脳からは「上場来初の赤字を出した時点でトップとして責任を取って辞めるのが筋ではないか」との声が聞こえてくる。

「さまざまな物事の見方を知らず知らずに排除するようなことはなかったか。異論や違和感を言い切れる空気を経営として本当に作れていたかというと十分でなかった」。三部社長は反省を語る。

ただ、実際には水面下で三部社長の続投をめぐるさまざまな駆け引きがあった。

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