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独裁者の「誕生日ケーキ作り」を命じられた9歳の少女… フセイン政権下の子供たちが直面した"想像を絶する過酷な運命"

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大統領のケーキ
映画『大統領のケーキ』は7月10日(金)新宿ピカデリーほか全国ロードショー(写真:『大統領のケーキ』ⓒ 2025 TPC FILM LLC. All Rights Reserved. )
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恐怖心に駆られたラミアは、なんとかしてケーキをつくらなければ、と必死になるが、おばあちゃんはどこか浮かない表情。それでも孫のために「卵は子孫繁栄のため。小麦粉は命のため。砂糖は人生を甘くするため。ふくらし粉はフワフワにするため」とケーキの材料について教え、父親の形見となる懐中時計をラミアに手渡してくれた。

おばあちゃんは、飲食店を経営する友人にラミアを託そうとするが、ショックを受けたラミアはそこから逃げだしてしまう(写真:『大統領のケーキ』ⓒ 2025 TPC FILM LLC. All Rights Reserved. )

翌朝、ラミアはおばあちゃんとともに街に出掛けることとなった。街ではおばあちゃんが新しい衣服を買ってくれたり、おいしい食事をふるまってくれたりしたが、実は街に出てきたのはケーキの材料を買うためではなく、知り合いの女性にラミアを養子として預け、彼女の世話を頼むためだったのだ。

ふたりは押し問答を繰り広げる。「ここにいれば食事も与えてくれるし、服だって買ってもらえる」「わたしはケーキのために街に来たの」「うちにはお金がないんだ。ケーキのことは忘れな」「わたしのせい? なんでもするから!」――。

それは孫娘の幸せを思ってのことではあったが、大好きなおばあちゃんと暮らし続けたいと願うラミアは、ショックを受けてその場から逃げ出してしまう。

それでも自分の力でケーキの材料を集めれば事態を変えられるのでは、と信じた彼女は、「くだもの係」を命じられた親友のサイードとともに街を駆けずりまわることになる。だが多くの人々が貧困に苦しむご時世に、子どもたちがケーキの材料を集めることは決して楽なことではなかった。

大人たちは往々にして自分本位で、子どもたちにも冷たく接するが、一方で温かなまなざしを向ける大人たちもいる。果たしてラミアは大統領のためのケーキをつくることができるのか――?

イラクでの撮影は困難を極めた

主人公のラミア(右)と、親友のサイード(左)を演じた少年少女をはじめ、キャストは全員が演技未経験者。ハーディ監督は演じることを求めず、「その場で生きること」を大切にし、出演者たちと話し合いをしながら撮影を進めた(写真:『大統領のケーキ』ⓒ 2025 TPC FILM LLC. All Rights Reserved. )

本作のメガホンをとったのはイラク出身のハサン・ハーディ。戦時下のイラク南部で育った彼は、長年にわたってジャーナリズム、映画制作の分野で活躍。

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