東洋経済オンラインとは
政治・経済・投資 #ドキュメント・危機のリーダー

手書き資料が伝える修羅場の意思決定… 伝説の次官が震災後初動をつぶさに記録した真意が「組織防衛」だった背景

7分で読める 有料会員限定
徳山日出男は震災時、重い決断を重ねた(写真:Athit Perawongmetha/Getty Images)

INDEX

2011年3月の東日本大震災は、世界史に残る未曽有の災害だった。国土交通省東北地方整備局の局長として、現場の総指揮を執った徳山日出男は、果断な決断で超法規的措置を繰り返し、津波被害の復旧で大きな役割を果たした。
「もうそろそろ語ってもいいかな」
後に事務方トップの国土交通事務次官となり、「伝説の次官」とも称される徳山。あれから15年が経った今春、当時の胸の内を計10時間かけて取材に語った。
「当時考えたことを初めてここまで話した」というその内容を基に、約10回にわたってお届けするドキュメント・危機のリーダー。修羅場で重ねたその思考や判断は、ビジネスリーダーや官僚にとって最高の教科書だ。配信は原則毎週木曜日。
第8回は、記録を残すことの意味。

国の責任者や地方自治体のリーダーたちは、どうやって政策を決めてきたのか――。

政策判断、意思決定の経緯を記した記録を残すことは、民主主義を健全に機能させるために不可欠だ。東日本大震災のような未曽有の災害に関するものなら、なおさらだ。

東北地方整備局長だった徳山は、大量の手書き資料を残し、5冊のファイルにまとめている。

徳山日出男(とくやま・ひでお)/1979年東京大学工学部土木工学科卒業、建設省入省。2008年国土交通省道路局企画課長。11年1月同東北地方整備局長、東日本大震災で現場対応を指揮。13年同道路局長、14年同技監、15年同事務次官。電通執行役員社長補佐、政策研究大学院大学客員教授を経て、国土技術研究センター理事長(撮影:今井康一)

徳山によれば「最初の20日間を記した1冊目のファイルの内容が最も濃い」。1冊目の初めのほうには、地震が起きた直後、騒然とした災害対策室の中で、徳山が一人で黙々と記した手書きの指示書など、濃密な修羅場の記録が残る。

徳山が「内容が最も濃い」という地震発生時から20日間の記録(撮影:今井康一)

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

政治・経済・投資

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象