危機の直後、人からの評価はさほど気にならない。いかに乗り越えるかに集中するしかないからだ。しかし乗り越えた直後から、成功者に対する嫉妬が気になり始める。それは東日本大震災でも同じだった。
東日本大震災の発生から5カ月ほど経った頃だった。
2011年8月8日。
米ハーバード大学の教授が、国土交通省東北地方整備局に局長の徳山日出男を訪ねてきた。
教授は、ハーバード大ケネディ行政大学院アッシュ・センターの所長で、公共政策とリーダーシップを研究しており、東京・霞が関の国交省本省などでの聞き取りを終えて被災地を訪れていた。
徳山が震災対応について一通り説明をした後、教授による質問が始まった。
最初の質問を徳山はよく覚えている。
「国交省の本省の先輩から、あなたに対するジェラシーはなかったのか」
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