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2011年3月の東日本大震災は、世界史に残る未曽有の災害だった。国土交通省東北地方整備局の局長として、現場の総指揮を執った徳山日出男は、果断な決断で超法規的措置を繰り返し、津波被害の復旧で大きな役割を果たした。
「もうそろそろ語ってもいいかな」
後に事務方トップの国土交通事務次官となり、「伝説の次官」とも称される徳山。あれから15年が経った今春、当時の胸の内を計10時間かけて取材に語った。
修羅場で重ねたその思考や判断は、ビジネスリーダーや官僚にとって最高の教科書だ。「当時考えたことを初めてここまで話した」というその内容を基に、これまで毎週木曜日に10回にわたってお届けしてきたドキュメント・危機のリーダー。最終回(第11回)のテーマは、徳山が伝えたい「自分事化」について。
震災から約2年半後の13年8月、徳山は東北地方整備局の局長の任を解かれた。国交省本省の道路局長に転じた後、技監、そして事務方トップの事務次官を務めて退官した。現在は一般財団法人「国土技術研究センター」で理事長を務めている。
整備局長退任後も、定期的に被災地を訪れている。
一緒に戦った自治体の「首長さん」、被災し再建した旅館の「女将さん」、語り部の人、当時の同僚たちと会って、役割を果たすためだ。
東北には2つの使命がある。徳山はそう考えている。