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コーヒーとケーキで「2000円超」でも連日満席…スタバでも埋められないニーズを満たす「椿屋珈琲」独特な勝利の方程式

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夜の街に浮かぶ椿屋珈琲の白い行灯。入り口前から、一般的なセルフ式カフェとは異なる空気が漂う(写真:筆者撮影)
  • 鈴木 恵美 外食・小売に強いプロ広報/初代プレスリリースエバンジェリスト
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「急かされない」という感覚は、特定の瞬間に訪れるのではない。最初の一杯が運ばれてから、会話が続く間中、ずっとそこにある。声を張らなくていい。隣が近すぎない。新宿のど真ん中にありながら、店内には外とは異なる時間が流れている。

なぜ「高いコーヒー」は許容されるのか

コーヒー1杯1300円という価格は、一般的には高価格帯に入る。それでも、椿屋珈琲の客はこの価格を払う。

ブレンド珈琲はいずれも税込み1300円。価格は高いが、店内では会話を目的に過ごす客が目立つ(写真:筆者撮影)

一つの仮説として、消費者が「コーヒー代」として支払っているのではなく、「時間と空間への対価」として認知しているからではないか。飲み物はその場に滞在するためのパスポートであり、「落ち着いて話せる60分」に価値を見出している、と見ることもできる。

深緑でなめらかな手触りのメニュー。手にした瞬間から、一般的なセルフ式カフェとは異なる空気が伝わる(写真:筆者撮影)
入り口付近のショーケースには自社製ケーキが並ぶ。思わず立ち止まって眺めてしまう。喫茶店でありながら、ケーキ需要も受け止めている(写真:筆者撮影)
食事メニューも用意されており、喫茶利用だけでなく食事需要にも対応している。隣席に運ばれていたサラダプレートは想像以上の大きさで、椿屋特製ビーフカレーも気になる存在だった(写真:筆者撮影)

東和フードサービスは、有価証券報告書(25年4月期)の事業概況で椿屋珈琲についてこう説明している。「ゆとりとくつろぎの60分」「高級感のある内装、落ち着いた雰囲気、接客サービス」。「60分」という時間軸をブランドの核に置いていることは示唆的だ。売っているのはコーヒーではなく、60分という体験である。そう読むことができる。

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