※この記事は、萩原雅裕氏の新刊『たたき台の教科書』をベースに書き下ろしたオリジナル記事です。
原則はシンプル。問題は「現場での型」
前回までで、すべての仕事は「現状 × 打ち手 = 期待する成果」という構造でできていること、そして部下が持ってくるたたき台には「悪い/スジが悪い/良い/スジの良い」の4つのレベルがあることを見てきました。
原則そのものは、シンプルです。
上司がまず2つの定数(現状・期待する成果)を固定し、出てきたたたき台のレベルを見極める。問題は、それを現場でどう実行するか。たたき台を前に、具体的にどんな言葉をかけるか、です。
ここからは、優秀な部下を潰さず、むしろ引き上げる「5つの勘所」を、現場でありがちな部下の提案を題材に、順に見ていきます。
これが、いちばん最初で、いちばん効きます。何もないゼロから、叩かれるリスクを承知でイチを作ってきた——その事実に対して、
と、まず労う。
感謝は甘やかしではありません。「この上司は自分の努力をちゃんと見ている」という安心(心理的安全性)があるからこそ、部下はその後の厳しい指摘を素直に受け取れます。順番が逆——いきなりダメ出しから入る——だと、何を言っても防御の壁に跳ね返されてしまいます。

