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訪日中国人客数が昨年と比べて半減している。今年の第1四半期の訪日客数1068万人のうち中国客数は107万人。昨年同期は訪日客数が1053万人で、うち中国客数は236万人だったので、全体の訪日客数は増えているにもかかわらず、中国からの訪日客数は大きく減少していることがわかる。
その一番の理由は日中関係の緊張だと思われるが、もう一つ懸念されるのは、日本に行きたいところがなくなりつつあるのではないかという点である。今回は、中国人が「行きたいところ」の事例と背景を紹介した上で、今後の日本観光のヒントを提示したい。
コロナを機に変わった“中国人が求める日本像”
筆者は2014年からインバウンドをはじめとする中国若者・富裕層の研究・コンサルティングを行ってきた。のべ数千回のデプスインタビューにもとづくと、訪日ブームは、コロナを機に、2つのフェーズに分けられると思う。
第1のフェーズは19年まで。安い団体旅行を利用する者もいたが、経済成長が続いていたので「上質な暮らし」を求める観光客が多かった。特に若い世代は親世代の好みと一線を画し、わび・さびの哲学、秩序と清潔感、自分の美的センス・心のニーズが満たされる日本への関心と人気がどんどん高まった。
一方、23年以降のコロナ後、団体旅行者が消え、日本に来るのはほとんど個人客になった。その中には、
①依然として日本の大ファンで年5~6回遊びに来ている人たち
②円安に魅力的に感じ、ブランド品から日用品の爆買いに来ている人たち
③20代前半で海外旅行の経験は少ないが、映えのよい日本に酔心し、話題性があり、ネットでシェアしやすいところばかりに行っている人たち
がいる。
今の中国人観光客減少は、政府間の緊張だけではなく、上記でいう①の「ファンだった観光客」が来なくなったのも一因だといえる。経済力が高く、円安も嬉しく受け止めるはずの彼らが、コロナ後、なかなか日本に戻っていないのだ。
