14年からずっとインタビューしている世帯年収4000万円程度のプチ富裕層の一家は、コロナ前は年2~3回日本に来ていたのに、コロナ後わずか1回だけになった。
その理由を聞くと、「前はミシュランのお店が取れたらすぐ日本に来たり、子供の文房具のために日本に来たりしていた。コロナが始まると行けなくなってすごく嫌だった。けど、しばらくしたら、日本で泊まった坐忘林(ニセコの高級温泉旅館)に遜色ないリゾートホテルが中国国内で出きてきた。すごくセンスがよくて、壁に飾っているアートも購入できるので、結構満足したわ。
前はママ友と一緒に、個人ガイドを雇って京都と奈良のオーダーメイドで卒業旅行をしたけれど、ガイドの英語があまり上手でなく、子供と一緒に親も参加しないといけないので逆に疲れた。
大人同士でももっと日本の文化を体験したかったが、その場合はただの着物体験か、すごく難しい話の見学ばかりであまり満足でできなかった。
今は中国国内の旅行が進化し、英語ネイティブの先生がずっとついているし、宿泊先も結構いいので、子供にとってもいい。私たちにとっても休めるから満足。今年の夏・冬休みも10日くらい利用する予定。
ディズニーシーは楽しいし唯一無二なのでたまに来るが、全体的にみて日本の旅行より今は中国国内の旅行の方が楽しいかも」と。
似たような回答は、筆者だけも何十回も聞いた。
北京の観光業者「日本での体験を思い出し起業した」
発展する中国の文旅だが、その背景には日本の影も見える。
例えば、最近中国の都市部に行くと、昔の中国の服を着る中国若者がどんどん増えている。コロナまでそういう風潮は一切なかったのに、いつの間にか、紫禁城に行っても、西湖に行っても、カメラマンを連れ、唐や明の時代、あるいは漢民族の漢服など様々な伝統服を着た若者がいる。
北京にある伝統服のレンタル屋さんに聞くと、30代前半のオーナー2人は元々日本旅行が好きで、来る度に着物をレンタルして街歩きを楽しんでいた。コロナに入って失業したとき、日本での体験を思い出し起業したのだという。
