ちなみに、「大戸屋」といえば、従業員による不適切動画問題や、創業家と経営陣の対立、メニューの値上げによる客離れなど、たびたび話題になってきたチェーンでもある。
しかし、2026年5月時点で筆者が訪れた店舗は平日昼にもかかわらず満席だった。筆者自身、何度も利用しているが、昼時には待ち時間が発生することも珍しくない。店内を見渡すと、20〜50代の会社員、学生カップル、子ども連れのファミリー、おひとりさま客まで幅広い層でにぎわっていた。数年前と比べるとメニュー価格は上昇しているものの、客足は堅調に推移している印象を受ける。
株式会社コロワイドの26年3月期決算説明会資料を見てみると、大戸屋ホールディングスの売上高は370億1600万円、事業利益は17億8500万円。前期にあたる25年3月期の売上高は313億8500万円、事業利益は13億100万円のため、比較すると増収増益となっており、事業利益率も4.2%から4.8%へ改善していることがわかる。
健康ニーズに応えるメニューが支持される理由か
1958年創業の大戸屋は、70年近い歴史を持つ老舗チェーンであるが、一時期は、悪い噂がメディアで報じられ客足が減ったこともあった。しかし、現在の店舗からはそうした影響をまったく感じない。その背景には、やはり味やサービスの一定のクオリティが維持されていることがあるのではないだろうか。
やよい軒や和食さと、おぼんdeごはんなど、他にも多数の定食チェーンがある中で、増収増益を維持している「大戸屋」。人気が衰えないのは、提供スピードの速さや豊富なメニュー、健康的な食材をおいしく手軽に楽しめる満足度の高さが、幅広い世代から支持を集める理由と考えられる。
今回話題となった「毎日定食」も、少量多品目を求める健康志向のニーズに応えるメニューと言えるだろう。SNSでのプチバズりをきっかけに、さらなる来店動機につながるのか。今後の動向にも注目したい。
