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キャリア・教育

会社を壊すのは「パワハラ」でも「不正」でもない…日本企業にはびこる"本当の大問題"

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口を閉ざすビジネスマン
“不祥事の芽”を育てる「沈黙の組織」の正体について解説します(写真:polkadot/PIXTA)
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問題が大きくなる前には、何らかの兆候が出ていることがあります。

本人はまだ声を上げていなくても、周囲の人は変化に気づいているかもしれません。

「最近、あの人の様子が少しおかしい」

「あの部署だけ、妙にピリピリしている」

「あの処理について、何人かが気にしている」

こうした情報は、正式な「通報」になる前の段階では、組織の中に埋もれがちです。

しかし、リスク管理という観点では、むしろこの段階の情報こそ重要です。

「本人の声」だけを待ってはいけない

そこでひとつ重要になるのが、「周囲の目」です。

本人に「何か問題がありますか」と聞くだけではなく、周囲の社員が感じている「小さな気づき」を拾う。たとえば、本人が声を上げる前に、周囲の変化や違和感を4つの設問などを通じて捉えていく方法です。

さらに、不正やハラスメントの兆候を、実際に大きな問題が起きる前につかむ「コンプライアンスVoE」という考え方もあります。VoEとは「Voice of Employee」、つまり「社員の声」です。

大切なのは、年に一度サーベイを実施して終わりにすることではありません。

・小さな違和感を拾う
・必要に応じて確認する
・問題があれば手を打つ
・そして、「会社としてこう対応しました」と現場に返す

この循環を回していくことが重要です。

私は、現場の声を経営に届け、届いた声をもとに組織が動き、その結果を再び現場へ返していく一連の循環を、「フィードバック経営」の重要な柱だと考えています。

『フィードバック経営 「沈黙の組織」から「高め合う組織」へ』(日経BP)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

コンプライアンスも同じです。

規程を整備する。研修をする。内部通報窓口を設ける。それだけでは、リスク管理として十分とは言えません。

問われるのは、「おかしい」という小さな声が消えずに組織の中を流れていくか。そして、その声がまだ小さいうちに、経営が反応できるかです。「声を上げても無駄だ」「報告したら自分が不利になる」。そうした空気が組織を覆うと、兆候は表に出ないまま、静かに根を広げていきます。手遅れになってから動き出すのでは間に合いません。

不祥事に強い組織とは、「問題が一切起きない組織」ではありません。「異変を早く察知し、大きな不祥事になる前に軌道修正できる組織」です。

火が燃え広がってから消火するのではなく、火種のうちに気づいて手を打てるか。

「沈黙の組織」から抜け出すことは、働きやすい職場をつくるためだけではありません。企業を重大な不祥事から守る、リスク管理そのものでもあるのです。

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