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〈守りから攻めへ〉楽天グループがついに打ち出した"金融再編"の思惑 揺れ動いた構想…市場が抱く警戒感の正体

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金融事業の再編を発表した楽天グループ。業績面でも複数のプラス効果を見込むものの、市場の受け止めは芳しくない(編集部撮影)

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強力な“金融経済圏”をさらなる成長に導けるか――。

楽天グループ(G)は5月20日、上場子会社である楽天銀行を中核に、グループ内の金融事業を再編すると発表した。楽天銀の傘下に楽天カード、楽天証券ホールディングス(HD)を置く体制へと移行し、金融事業の一体運営で中期的に年850億円以上のシナジーを目指す。6月に開催する楽天銀の株主総会で承認を得たうえで、10月に実施される見通しだ。

再編完了後は楽天Gが持ち株比率ベースで楽天銀に72%を出資し、楽天銀が楽天カード、楽天証券HDにそれぞれ100%出資する体制に移る。すでに楽天カードに15%を出資していたみずほ銀行は既存の出資を引き揚げ、楽天銀に6%を出資する形とする。楽天証券HD傘下の楽天証券に対するみずほ証券の出資分(49%)については維持する。

再編で見込まれる効果は?

楽天Gは2020年に本格参入したモバイル事業で赤字が続くが、他の主力である金融、EC事業は好調で、全社では24年12月期に営業黒字復帰を遂げた。とくに金融事業は、ネット銀行で口座数1800万超を誇る楽天銀を軸に急成長を続けている。25年12月期の同事業の売上収益は前期比19%増の9759億円、営業利益は同30.3%増の1999億円だった。金利上昇や好市況をとらえ、事業効率化や成長加速を図る構えだ。

今回の再編で見込まれる重要な効果は、グループ外への金利負担流出を抑えられる点にある。

楽天カードや楽天証券は、事業拡大に必要な資金の一部を外部から調達してきた。例えば、楽天カードはカード債権を証券化したものを楽天銀が引き受けるようなケースがあった一方、規制上の制約もあり、グループ内ですべてを融通することは難しかった。

楽天Gによると、楽天カードと楽天証券の外部調達残高は増加傾向にあり、25年末時点で計2兆円超に上る。金利上昇局面では、こうした外部からの調達が増えるほど、支払い利息もグループ外へ流出しやすくなる。今回の再編で、楽天銀を軸に金融事業を一体運営できるようになれば、従来は外部から借りていた資金の内製化が可能になる。つまり、これまでは社外に払っていた金利負担をグループ内で循環させられるようになるわけだ。

三木谷浩史会長兼社長は5月14日の決算説明会で、「再編で外部にお願いをしていた比較的高い有利子負債をすべてグループ内で完結できる」と語り、金利負担軽減や統括的な資産運用につなげられるメリットを強調した。

楽天Gは、資金調達の柔軟化やコストの最適化などを通じて、中期的には経常利益ベースで年530億円以上の財務シナジーを見込む。それ以外にも、グループ内で横断的に金融アプリを統合する「スーパーアプリ」化を推進し、各金融商品の連携による販売も強化する。個人顧客基盤を広げることで、中期的に年320億円以上の利益貢献を見込み、財務上の効果と合わせると、シナジーは年850億円以上となる。

再編対象となる3社の経常利益は足元で計2000億円規模だが、30年には4000億円以上に倍増させる計画もぶち上げた楽天G。もっとも、今回の決定に至るまで、金融事業の方向性をめぐっては二転三転が続いてきた。

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