楽天グループ傘下の金融事業再編が、いよいよ大詰めを迎えている。関係者によれば5月中にも統合スキームが発表される見通しだ。
再編の軸になるのは、上場子会社の楽天銀行。楽天グループは今年2月、楽天銀行、楽天カード、楽天証券などの金融事業を「1つのグループに集約」する再編協議を再開すると公表した。再編後も、楽天銀行の東京証券取引所プライム市場の上場は維持する方針だ。
焦点は、その具体的な形。想定されているのは、楽天銀行を金融グループの中核会社とし、その傘下に楽天カードと楽天証券を置くスキームだ。
社債償還の「財源づくり」の一面も
なぜ楽天グループは、2024年に一度は断念した金融事業の再編にふたたび動き出したのか。楽天グループはその理由を、金利上昇で競争環境が変化する中、銀行・カード・証券を1つのグループに集約し、金融事業の競争力を高めるためだとしている。
もっとも、ある市場関係者は、もう一つの狙いとして「来るべき社債の償還に備える財源づくり」があると見る。
楽天グループはモバイル事業への巨額投資で重い財務負担を抱えてきた。24年にはドル建て社債の資金調達で当面の償還分の手当てを済ませたが、今後も社債償還への備えは欠かせない。S&Pグローバル・レーティングも今年2月のレポートで、27年以降の償還対応に注意を向けている。
そこで浮上するのが、金融株の一部売却だ。楽天グループは現在、楽天銀行株を49.26%、楽天カード株を85.01%、楽天証券株を51%保有している。株式交換によって今回のスキームが実現すると、「楽天グループは60%台の楽天銀行株を保有する計算になる」(同)という。
他方で、東証プライム市場の上場維持基準である流通株式比率は35%以上。つまり楽天グループと主要株主であるみずほフィナンシャルグループ(FG)の保有比率を、合計で65%未満に抑える必要がある。銀行を頂点とする金融コングロマリットを形成し、企業価値を高めたうえで、楽天銀行株の一部を売却する。前出の市場関係者は、これが「隠れた狙い」だと見る。
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