近時の校外活動中の重大事故を受け、文部科学省は校外活動における安全確保の徹底を求めていた。
その直後に、部活動遠征の移動中、生徒だけがバスに乗車していたとすれば、学校としての引率責任の理解が改めて問われることになる。にもかかわらず、同乗しないという判断を下したのはなぜなのか。校外活動における引率責任の理解という観点から、一定の批判を逃れないだろう。
この点は、4.緊急時対応体制の整備と事前説明とも関わってくる。報道によれば、顧問が同乗しないという判断は事故当日に決定され、しかも事故発生当時、顧問の乗った車はバスから大きく離れていたとされる。
顧問は、トラブル発生時にどう対応する予定だったのか。また、保護者に対してその旨をきちんと説明していたのだろうか。疑問は尽きない。
人員・資金不足にどう向き合うか
事故の要因については、逮捕された運転手の問題も含めて、今後の捜査を待つ必要がある。また、文部科学省通知には法的拘束力が存在しないことも事実である。
しかし、ひとたび事故が起きれば、学校が負うべき「安全配慮義務」の具体的な基準として重い意味を有している。
ことは生徒の生命・身体の安全に関わる事柄である。報道と学校側の会見内容を見る限り、顧問個人の判断にとどまらず、部活動遠征の契約、移動手段、引率体制を学校組織としてどのように確認していたのかが厳しく問われる事案である。
現場では、部活動に関わる人員や資金などのリソースが足りないという問題が往々にして起きている。それでも、生徒の命に関わる移動については、適切な移動手段を取るコストを賄えないのであれば、潔く見合わせることも必要ではないだろうか。
また、学校側は部活動への予算を見直したり、国や自治体は移動に関わる補助金の創設や活用を検討したりするという対処法もありえるだろう。



