今回は、私立大学の法学部を卒業後、国家公務員として勤務しながら独学で受験対策を進め、東京藝術大学美術学部先端芸術表現科に合格した小森澪弥さんにお話を伺いました。
小学校から高校までサッカー一筋で過ごし、美術とは縁遠い環境で育った小森さん。コロナ禍の大学生活をきっかけに自分の内側と向き合い始め、社会人になってからアートの世界へ踏み込んでいきました。
なぜ安定した公務員の職を持ちながら、難関の藝大受験に挑んだのか。どうやって仕事と受験勉強を両立させたのか。お話を伺います。
国家公務員から一念発起、東京藝術大学に合格
小森澪弥さんは、北海道の旭川市に父親が建設業、母親がパートの家庭に生まれました。
親はそこまで教育に関心がなかったそうで、「学校での成績の良し悪しに対して良い意味で興味を持たず、やりたいことをやったらいいんじゃないと言ってくれる両親でした」と語ります。
山や自然の中でのびのびと過ごし、小学校2年生から高校3年生まで12年間、本格的にサッカーに打ち込んだ少年時代でした。
小森さんは幼い頃から活発で外交的な性格。友達もやんちゃな子からオタクまで幅広く、特定のコミュニティに属さずにいろんな場所に顔を出す子どもでした。
公立の中学校では、文系科目は平均以上だったものの、理数系は5段階評価で3程度と苦手意識がありました。一方で、絵を描くことには早くから才能の片鱗を見せていました。
「受験も含めて絵を専門的に教わったことは一度もなく、図工の時間以外はほとんど描きませんでした。ただ、学校のコンクールがあると、市で最優秀賞、北海道で金賞をいただく機会が多くありました」
公立高校ではスポーツに力を入れている旭川南高等学校に進学した小森さん。市内で2番手の偏差値の高校に一般受験で行こうと思ったこともありましたが、サッカー選抜で知り合った仲間たちに「一番強いところに行こう」と言われ、一緒に進学しました。
道北の選抜チームでプレーしたこともあり、真剣にサッカーと向き合った中高生時代でした。しかし、大学進学をきっかけに、サッカーを続けるかどうかを悩み始めます。
