率直に言えば、筆者にとって国鉄の特急の中でも直流特急型電車は「カジュアル」な存在で、身近で便利な移動手段として多用したという印象が強い。思い立ったら自由席に飛び乗ってすぐ移動、といった記憶とともにあるのが直流特急型電車だ。
特急の重厚さや風格という観点では、筆者は多くの場合、交直流特急型電車による列車のほうが上ではなかったかと思う。それは編成に現れていたといえよう。昼行特急で日本最長の運転距離を誇った「白鳥」など、交直流特急型電車は長距離を走り、食堂車を連結した長大編成が多かった。
筆者の生まれ育った沿線である北陸本線を走る「雷鳥」や「しらさぎ」などは最盛期、食堂車やグリーン車2両を連結した豪華編成で走っていた。当時の優等列車は食堂車やビュフェなどを連結しているのがステータスでもあった。
「身近な特急」183系
一方、181系の後、72年に登場した183系は、もともと房総方面の短距離特急列車向けとしてつくられただけあり、当初から食堂車やビュフェはなかった。国鉄初の振り子式電車として73年から特急「しなの」に投入された381系も同様に、食堂車などはなかった。
その後、特急「とき」向けに登場した183系1000番台も食堂車は存在せず、同じ「とき」でも181系の編成には連結しているものの、新型の183系は食堂車の営業がないという、やや寂しい列車となった。もっとも、食堂車はその後全国的に姿を消していってしまった。
とはいえ、70年代半ば以降、筆者は『ケイブンシャの大百科』の取材で当時の全国の特急列車をすべて撮影している。そんなこともあり、183系をはじめとする直流特急型電車の思い出は数多い。
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【「とき」「あずさ」…首都圏発着特急の数々】
