「少子化が進み、財政も厳しい中、北見市では子どもが文化芸術やスポーツに親しむ機会を死守しようと、民間と行政が連携してさまざまな認定地域クラブ活動が行われています。合唱に関しても北見合唱連盟と連携し、拠点校に小中学生が集まる形で運営が行われています」(戸ノ下氏、以下同じ)
また、福島県郡山市では、19年から福島県合唱連盟県南支部主催の合唱塾を開催。小中高が一緒に合唱を学ぶ場をつくるとともに、子どもを指導する合唱指導者を養成している。
さらに、東京都国分寺市では25年から武蔵国分寺ジュニア・ミュージック・ソサエティ(JMS)が市の委託を受けて、コーラスとウインズによる音楽系地域クラブ活動を展開し、東京都合唱連盟とも連携して市内の小中学生が参加できる仕組みを確立。国分寺市で合唱部がある市立中学は1校だけだったが、市内の小中学生が合唱を体験できるようになった。
「受け皿があれば歌いたい子たちが集まってくると確信しました。適切な指導を受ければ子どもたちは驚くほど成長します。機会や場を作るのは大人の責任で、地域で子どもたちを支えるのが地域展開です。だからこそ、きちんとした認識や知見を持った指導者が必要です」
指導者育成と地域にあうスキームが重要
合唱の場合、音程を確認するチューナーなどがあれば、子どもたちは身一つで集まり、活動できる。やはり、地域展開がしやすい部活動と言ってよさそうだ。
しかし、課題もある。公共交通機関が限られる地方では移動手段が限られる。山間部や豪雪地帯では自転車でも通うのが難しく、冬季はさらに移動が難しくなる。また指導者の育成にも課題があるという。
「一般の合唱団で指導しているから中学生も指導できるというわけではありません。中学生に教えるには、コンプライアンス遵守、ハラスメントやガバナンス統治への認識、義務教育の段階にある生徒への指導、運営などに関する知見が必要です。
指導者も運営団体も、学習指導要領への理解はもちろん、教育基本法や学校教育法といった法令で義務教育がどう位置付けられているか、その知見を備えている必要があるのです」
次ページが続きます:
【合同合唱団がコンクールに出場する例も】
