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実は最大筋力の約30%しか使っていない「ウォーキング」だけでは不十分 65歳からの転倒を防ぐ5つの《ゆる筋トレ》

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ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げないという(写真:Luce/PIXTA)
  • 安保 雅博 東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座主任教授
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なぜ「歩くこと」だけでは転倒や寝たきりを予防できないのか。それは、歩行中、私たちは思っているほど筋力を使っていないからです。下の表にあるように、歩行時に使われる筋力は、自分が出せる最大筋力の約30%程度にすぎません。

わかりやすく言うと、「あまり力を入れなくてもできる動作」が歩行なのです。この「ラクにできてしまう」という点が、転倒・寝たきり予防につながらない最大の理由になります。

(出所:『歩幅を見れば、寿命がわかる 「死ぬまで歩ける体」のつくり方』より)

※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

転倒を防ぐのに必要なのは「とっさの速さ」

ここで、筋肉の仕組みについて、少しだけ説明しておきましょう。筋肉は「筋線維」という細い束の集まりでできており、その筋線維は、大きく次の2種類に分けられます。

速筋線維…反応が速く、大きな力を発揮できる。鍛えると太くなるが、疲れやすく持久力は低い

遅筋線維…反応は遅いが、長時間使い続けられる。発揮される力は弱いものの、疲れにくく持久力がある

ウォーキングのようなゆっくり・長く続ける運動で主に使われるのは、このうちの遅筋線維です。一方で、つまずいた瞬間に体を立て直すために必要なのは、速筋線維です。つまり、歩いているだけでは、転倒を防ぐために本当に必要な筋肉が鍛えられないというわけです。

ここで、「転びそうになる場面」を思い浮かべてみてください。

「つまずいた瞬間」「足がもつれた瞬間」「バランスを崩した瞬間」

このとき必要なのは、ゆっくりと使う力ではありませんよね。一瞬で体を支え、踏ん張り、立て直す─瞬発的で強い筋力です。「歩くこと」でいくら遅筋線維を鍛えても、それだけでは転倒予防には役立たないということなのです。

念のために言っておくと、私は「歩くこと」を否定しているわけではありません。歩く習慣そのものは、心肺機能や持久力を高め、健康維持や気分転換として、とてもよいものです。しかし、「歩いているから、足腰は大丈夫」「特別な運動はしなくていい」そう思い込んでしまうと、転倒に弱い体のまま年齢を重ねてしまうことになります。

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