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台湾社会の表裏を映し出す白沙屯の媽祖巡礼とは? 信仰と連帯、政治・裏社会・中国の影響も交錯する台湾社会の実像

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台湾・苗栗県にある白沙屯媽祖(写真:jack/PIXTA)

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日本では桜の開花による花見の季節となる3月から4月。この時期に台湾では、「媽祖」に関する行事が各地で行われる。

媽祖とは、中国大陸沿海部や台湾、さらに世界各地の華人社会で信仰される神である。「天上聖母」や「天后」「天妃」などの尊称で呼ばれることが多く、航海の安全や豊漁を司る海の神として知られる。

やがて信仰は陸にも広がり、現在では海陸を問わず多くの寺廟に祀られ、慈愛の象徴として人々の信仰を集めている。仏教における観音菩薩に近い存在と捉える向きもある。

旧暦3月23日の祭礼

信者が非常に多い台湾では、媽祖を祀る廟が各地に点在し、生誕日とされる旧暦3月23日に合わせて祭礼が行われる。その中でも白沙屯媽祖巡礼は、苗栗県通宵の拱天宮から雲林県北港の朝天宮までの往復約400キロを歩き、規模の大きさや参加者の熱気、独特の進行方式から世界的にも注目を集めている。

白沙屯媽祖巡礼の最大の特徴は、あらかじめ定められたルートが存在しない点にある。拱天宮を出発した神輿は朝天宮を目指し、各地の廟や施設を巡りながら進むが、進路や休憩場所はすべて媽祖の「意思」に委ねられる。

例えば、100メートルほど進んだかと思えば突然Uターンし、別の道へ向かうことも珍しくない。分岐点では動きが激しくなるため、「香燈脚」と呼ばれる参加者や交通整理に当たる警察が連携し、不測の事態にも対応できるよう互いに助け合う姿が見られる。

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【御利益に精神の浄化も期待】

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